第25話 s-23

 ――『だれかこのこをひろってあげてください』


 その馬車道には、そう書かれた不自然なダンボールが置かれていた。馬車道は商人、冒険者など様々な人々が行きかっていた。当然、不自然に置かれたダンボールに人々は興味を示す。しかし、ダンボールの中身を見たものは皆一様に微妙な顔をして去っていった。


 ……


 俺は再びアルフォンスの作ってくれた『捨て猫風ダンボール』の中にいた。


 結局あの後、ゴードン一味の山賊行為を妨害しまくったのだ。

 夜、馬車に襲い掛かるまさに絶好のタイミングで、股間をフラッシュさせる俺。

 旅人の身包みを剥ごうと襲い掛かるタイミングで、子分にフレンドリーファイア。


 それでもゴードンは、1日1枚金貨をペッと吐く俺を捨てるかどうか、迷っていたようだった。


 「く……。今日も収穫なしか……。ダニエルの奴も一味を抜けると言い出しやがった……」


 それはそうだ。股間をフラッシュさせて獲物に逃げられるようなアホな山賊団頭領など、部下からすれば見限って当然のことである。『股間フラッシュのゴードン』という、業界内でも残念な二つ名がつく有様であった。


 そしてついに……。


 プチッ


 ゴードンのコメカミの血管が切れる音がした……ような気がした。


 馬車道に、ペチっと俺を投げ捨てるゴードン。そして、青筋を浮かべながら俺を踏んづけるが……。


 バキーン。金属化発動。


 「ぎゃあああああああ!」


 ゴードンの足が不自然な方向に曲がっていた。そして、子分に支えられゴードンは去っていった。


 やれやれだぜ……。次はまともな人に拾われることを祈ろう。

 俺はペッと、アルフォンスが作ってくれた、『捨て猫風ダンボール』を出す。


 ――果報は寝て待て。


 俺は、気まぐれに『金貨ジャグリング』をしながら、ダンボールの中で次の所有者を待つのだった。


 × × ×


名前:榊 弘明

種族:マジックブリーフ

Lv:14/20

ステータス:HP91 MP171 力58 魔法力141 素早さ34 器用さ42

スキル:

言語理解Lv4、鑑定Lv4 空間収納Lv6 透視Lv3 ファイアーLv8、熱光線Lv6、フラッシュLv5、MP自動回復Lv6、金属化Lv6、コンフューズLv3、鑑定阻害Lv1、アイスブリットLv1、ウォーターLv1、触覚遮断、嗅覚遮断

称号:成長する魔道具

所有者:なし

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