第20話 s-19

 ――ある日の月がうっすらと雲に隠れた、暗い夜だった。


 私腹を肥やしていると噂される、ボッフェンバッハ・フォン・バルディア男爵の金庫に一人の男が現れた。


「怪盗パンツマン参上!」

 アルフォンスだった。


「誰だ! 不審なやつめ!」


「フラッシュ!」

 ピカアア


「うお、まぶしい!」

「見えないぞ!」

「目があー! ああああ!」

 

 その隙に、アルフォンスはスキル体術を発動し、金庫番の首に手刀。気絶させる。


 金庫番の腰から鍵を取り出すと、金庫を開放する。


「ジャア、この中のもの全部空間収納に入れちゃって」

 ほいほい。


 俺は、金銀財宝を全部空間収納にぶちこんだ。金貨だけで、10万枚以上はあるぞこれ。

 日本円にして1000億円以上。計算し直すのに、少し手間取った。考えるのもアホらしいほど、途方もない数字である。


 そもそも、そんな大金が金庫にある時点でおかしい。私腹を肥やしているというのは、どうやら本当のようだ。


 その足でアルフォンスは、孤児院の院長室に赴き、金庫前に金貨1万枚を置いて、立ち去った。


 さらに、スラム街で金貨5000枚をばら撒いたのだった。

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