第11話 s-10

 ゴブリンどもが再度襲ってこないとも限らないので、討伐部隊が編成された。冒険者40人と警備兵60人の混成チームだ。


 西の山に逃げていったゴブリン達の後を斥候が追いかけたところ、西の山中にゴブリンの集落を発見したとのことで、中には囚われた人間の幼い子供が数人いるようだとのことだった。


 ゴブリンは人を食べるので、きっと食料だろう。討伐部隊は急いで山中へ向かった。


 ゴブリンは概ね350体。周囲には夜の帳が落ちていた。


 打ち合わせ通り、アルフォンスが敵集落に潜入。


 「フラッシュ! 」


 ピカアアアア


 俺は全方位フラッシュをぶっ放し、敵の視界を奪う。混乱するゴブリン。


 それを合図に味方が突撃する。


 アルフォンスは集落内の囚われた人間を探し、いなければ俺がファイアーで火をつけさらなる混乱を誘う。基本的にゴブリンは火が苦手だ。


 そして、人間の女の子6名が縄で後ろ手に縛られて座らされている建物を発見する。


 すると。


 「グゲエエエ!」

 ゴブリンが物陰からナイフによる突き攻撃をしてきた。


 ゴブリンは背が低いので、丁度ナイフがアルフォンスの股間にクリティカルヒットしそうだった。そこで俺は…


 スキル『金属化』発動!


 バキーン!


 アルフォンスの股間が硬くなり、クリティカルヒットしたはずのゴブリンナイフはへし折れた。


 「ゲギャ?」

 首をかしげるゴブリン。


 アルフォンス、スキル『腰使い』発動!

 バキッ!


 アルフォンスの硬くなったあそこがゴブリンの顔面にクリティカルヒット! 顔がつぶれ、どうと仰向けに倒れるゴブリン。続いて、後ろから近づいてきたゴブリンにもおしりでアタック! バキ!


 二体目のゴブリンも、息絶えた。


 ふうと息をついたアルフォンスは腰に手を当てグイングイン回し、アルフォンスは囚われの幼い子供たちに近づき話かける。


 スキル『腰使い』発動中は腰がフラフープのようにグイングイン回るようだ。


 「もう大丈夫。お兄さんが助けにきたよ!」


 「「きゃああああ! 変態!! こないでーー! 」」


 泣き叫ぶ子供たち。


 それを聞きつけた女冒険者がやってきてアルフォンスを殴り飛ばした。


 「アルフォンス! 何怖がらせているのよ! あなた出ていきなさい! 」


 アルフォンスはそっと子供たちの手当て用に、俺が吐き出したHPポーションを女冒険者に渡すと、がっくりと肩を落とし、とぼとぼと建物を出たのだった。本気で落ち込んだようだった。


 ウケを狙った結果、ウケなかったときほど辛いことはないよな。俺も経験はある。


 男の子なら喜んだかもしれないけど、女の子にあれはNGだわ。気がつくべきだったなアルフォンスよ。

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