第10話 s-9

 「緊急! 緊急! 緊急クエストが発令されました。冒険者は直ちにギルドにお集まり下さい! 」


 その時、街中に伝令が走った。


 アルフォンスも急いでギルドロビーに向かった。


 ギルドロビーでは、ギルドマスターが腕を組んで難しい顔をしながら口を開いた。


 「みんな集まったな、今回の緊急クエストは街の西から山ゴブリンが進行してきているというものだ。斥候によると、数は300体、ゴブリンリーダークラスまで確認されたとのこと、皆の力を合わせて戦ってもらいたい。そこでだ……」


 「俺にひとつ作戦がある。『股間フラッシュ』のアルフォンス。お前の活躍は耳にしている。お前が神輿に仁王立ちになって敵に向かって全開でフラッシュ。敵の戦意を喪失させたいと思う。どうだ? 」


 「どうだ?」って……。


 至極真面目な顔でアルフォンスに問うギルドマスター。酷い二つ名だ。


 「は、はあ……」と微妙な顔をするアルフォンス。俺あなたの、そういう怒らないところ。好きです。


 周りの冒険者は笑いを堪えるので必死の様子だ。


 「よし、問題ないな。それでは作戦開始! 」


 ……


 西から迫り来る、ゴブリンの軍勢に対しこちらは冒険者40。街の警備兵50。


 ドン、ドン、ドン。


 太鼓を打ち鳴らしながら、浮かない顔をしたアルフォンスが神輿の上にパンツ一丁で仁王立ち。前方に出てくる。


 敵との距離100メートル。


 「今だ! アルフォンス! 」とギルドマスターの号令。


 「わかりましたよ……。ジャア頼むわ」気乗りしない感じのアルフォンスだが一応腰に両手をかけ、前に突き出す。


 ピカアアアア


 アルフォンスのあそこから強烈な光が発射される。眩しくて両手を目にかざすゴブリンたち。しかし、その後ゲギャグギャとゴブリンたちは笑い出した。


 距離があるのと昼間なので暗いダンジョンとは違いそんなに目潰し効果はなかったようだ。 


 というかウケていた。


 羞恥にプルプル震えるアルフォンス。その場にいた全員は違った意味でプルプルしている。


 「ジャア……。やつらに一発お見舞いしてくれ」


 わかっているぜ、相棒。


 またも腰に手を当てあそこを前に突き出すアルフォンス。

 俺は体格の大きな個体のいる部分に向けて、最大出力で股間ビームをぶっ放した。


 ピュン! ジュワアアア!


 ゴブリンリーダーと思われる固体やその線上にいた個体を含め10体の体や頭に風穴を開けた。どう、と倒れるゴブリンリーダーにぎょっとするゴブリンたち。


 とどめのフラッシュ!


 ピカアアアアア


 今度はゴブリン達が恐慌状態になり踵を返して逃げ出したのだった。


 アルフォンスが振り向くと、味方も腹筋にとどめを刺されていた。ギルドマスター含め、全員が腹をかかえて爆笑していたのだ。


 憮然とした表情になるアルフォンス。


 いや、みんな笑ってるけど、普通に戦っていたら死人が出ている場面だと思うぞ。

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