第8話 s-7

 準備を終えたアルフォンスは再びバルディアダンジョンへ向かうこととなった。


 ふと、アルフォンスのような几帳面で清潔な男であれば、人格に問題なしということでパーティを組むものなのではないかと疑問に思ったが、ソロでダンジョンを攻略するという彼なりのポリシーをもっているようだった。それが証拠に、装備が更新された彼を見てパーティの勧誘があったが全て断っていた。


 というか、ダンジョンではファイアーしなきゃいけないわけだし、ソロで行動せざるを得ないか。よくよく考えればわかる話だった。


 俺たちは装備が一新されたこと、3階層での狩りにある程度慣れたことから、4階層まで手を伸ばしてみることにした。ベースキャンプをどうするかについても俺は意見を聞かれたのでフラッシュの返事で4階層にすべきと答えておいた。


 ダンジョンに到着したとたん、アルフォンスはズボンを脱ぎパンツマンに変身した。


 1階層でゴブリンに遭遇したので、俺は新しいスキルである熱光線Lv1を放った。


 あそこに魔力を集中してビーム!


 光速のビームがあそこから発射され、ジュっと肉の焼ける音がしたと思ったらゴブリンが前のめりに倒れた。よく見ると、頭をビームが貫通し焼ききっていた。


 「ジャア!すごいね!じゃあ俺ビームって言ったら、今のやってくれる?ちなみに目潰ししたいときはフラッシュ!っていうから!」


 こいつ、なんか楽しんでないか?ちゃんと自分でも戦えよ?俺よりステータス低いぞ?

声に出せないのがもどかしい。


 難なく3階層を突破し、4階層へ。丁度岩に囲まれた場所があったのでそこをベースキャンプにする。あえて俺は、援護射撃を少なめにしてアルフォンスの性能を確認したが、ここまでの戦闘で感じたのは、アルフォンスの動きが良くなったのと、敵からの攻撃をきっちりと盾や鎧でガードできているなということだった。攻撃も今までは一撃でしとめ切れないような敵にもきっちり対応できていた。この様子なら4階層で探索しても大丈夫だろう。


 探索を開始して早々に新しいモンスターに遭遇した。


 バルディアコボルトウォリアー:犬頭の二足歩行型モンスター。武器を使う。

 見ると、バルディアコボルトウォリアーはアックスに木盾という装いだった。


 「フラッシュ!」

 しゃあないな…


 あそこから目潰し光線! ピカ!


 「ギジュ……」

 犬頭は眩しそうに目を手で覆う。


 その隙にアルフォンスは素早く近づき腕が上がった状態の犬頭の胴を切り裂いた。続いて俺は犬頭にファイアーをしてとどめを刺した。


 その次に遭遇したのは人間大のカマキリだった。


 ジャイアントマンティス:巨大な昆虫型モンスター。その鎌は非常に鋭利。


 「ビーム! 」


 俺は、熱光線で危険そうな武器である鎌を狙った。ジュっ音がして腕がもげた。

 「ビャアアア! 」と金属的な鳴き声が上がる。


 その隙に、アルフォンスはカマキリに詰め寄り、首を剣で落とした。


 その後俺たちはベースキャンプで休憩を入れつつ、順調に狩りを続けた。

 当然あそこのメンテナンスは必須である。ちょっとでも臭ってきたら、あそこの毛に着火して忠告した。


 こいつ、街では清潔で良いけど、ダンジョンだととたんに疎かになるんだよなあ…。

ベースキャンプの見張りを俺がして、敵が来たらフラッシュで知らせるとかとも考えたのだが、いざというときに戦えないと困るのでアルフォンスはパンツマンのまま休憩した。


 コボルト3体に囲まれたときは全方位全開フラッシュで目潰しして熱光線とアルフォンスの剣で仕留めた。コボルトの武器にも色々種類があって、アックス、剣、ハンマー、弓と色々とバリエーションが富んでいた。弓がアルフォンスと相性が悪く厄介なので俺は熱光線で早々につぶした。


 もうそろそろ、潮時かなと思っていた時に、レアモンスターが現れた。


 ジャイアントポイズンマンティス:巨大な昆虫型モンスター。ジャイアントマンティスの亜種であり、鎌に毒がある。レアモンスター。


 鑑定にわざわざレアと書いてある。これは高く売れるに違いない。


 俺は素早く熱光線でジュッっと鎌を焼き切る。そして、武器をなくした敵の頭をアルフォンスが落とす。このカマキリモンスターに対するデフォルトの対処法である。

鎌に毒があっても、無効化すれば問題ない。ただし、アルフォンスが毒になったときのことを考えないといけないな。ポーションは純粋にHPを回復するものだし。


 毒カマキリを空間魔法で収納した後、アルフォンスは探索を切り上げる判断をした。

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