ロックン・ロールをもう一度

作者 音乃

34

13人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

個人的に気になる箇所もありますが、文章は読みやすいです。

ただ、なんだろう。
妙に引き込まれる。

私自身に技術や知識がないので適切な言葉にするのは難しい。
登場人物の心理描写の上手さなのか、セリフの妙、文章の構成力?

テーマとしてはよく取り上げられるものだと思うけど、最後まで読んでしまった。
正確には、【させられた】作品でした。

読み終わった後、【挑発的な『あの目』の彼女】が頭に浮かびました。

そんな訳で、Web短編賞2019、勝手に推し作品その2です。
読んでって!

★★★ Excellent!!!

 かつてバンドをやっていたけど、展開する現実の流れに従って就職・結婚した主人公の男性。そして、彼が倒れているところを介抱した、バンドメンバーの女性の物語。その彼女は、後にメジャーデビューを果たしいわゆる「成功」を手にする。
 私は個人的に、この物語の指し示す「人生の教訓」に深くうなずきました。
(もちろん、人によって受け取るメッセージは違うでしょうし、作者様が伝えたいと思った何かとも違っているかもしれませんが)

 私は、この物語の登場人物であるバンド少女に、自分を投影して読みました。なぜなら、私も分野こそ違いますがそんな人生を歩んできた張本人です。
 ある分野の仕事で一定の実績を収めましたが、人の注目が集まると、「人気の出ること」「お金になること」が要求され、無名時代こそ「好きなようにできた」ことが、あれこれ要求されるようになり、「このまま稼ぎ続けるために、世間の要求を聞くか。それとも、大勢の支持は失うかもしれないが自分のやりたいようにやるか」を選択する状況に追い込まれ、後者を選びました。

 今でも、その時の選択は後悔していません。むしろ、よかったと思っています。
 原点回帰。これができることが、どんな栄光よりも貴重だ、ということが分かるまでになるのはそう簡単ではありません。
 物語のラスト、生き生きと活動しているバンド少女に対して、心からのエールを贈りたくなった。文章も読みやすく、とてもオススメできる作品です。