第32話 洗体〇ープ!?


「確か……これをこうして……」


 俺の背中越しで、穂波さんは何やらぶつぶつと呟いていた。


「穂波さん?」

「そ、それじゃあ洗うわよ!」

「はい、お願いします……」


 背中に全神経を集中させて、穂波さんがタオルで俺の背中を洗うのを待った。

 そして、ピトっと何かが触れた。直後、さらにむにゅりと何か柔らかいものが当たる感触がした。む、むにゅり……!?


 直後、穂波さんの手が俺の両肩を掴んだ。

 何やら嫌な予感がする。


「穂波さん、何してっ……」

「う、動かないで、恭太!」


 すると、耳元で穂波さんの必死な声が聞こえてくる。

 その吐息に、思わず背筋がぞくっとしてしまう。


 ってかこれ、間違いなく穂波さんの身体密着してるよね!?

 背中に当たってるの、タオルじゃなくて間違いなくおっぱいですよね!?


「穂波さん、これは一体……」

「何って? 恭太の身体を洗うのよ」

「だからって、なんで身体押し付ける必要があるんですか?」

「それはだって……」


 穂波さんはそこで口ごもるが、一息つくと意を決して言葉の続きを口にする。


「男の子って、こうやっておっぱいで身体洗ってもらうのがいいんでしょ?」

「……はっ?」


 何言ってんのこのポンコツ、いやっポンコツというか変態、じゃなくてもう痴女レベル! どこぞの洗体ソープじゃないんだから!


「穂波さん欲求不満?」

「なっ……ち、違うわよ馬鹿!」


 怒りながらポコポコ俺の肩を叩いてくる穂波さん。 あぁ……いい具合に肩がほぐれて気持ちいいです。


「そうじゃなくて、栄っちが教えてくれたのよ。こういうボディ洗い? っていう、おっぱいで男の人の身体を洗ってあげるお店に、世の男性たちは皆通って癒しを求めに行くって!」

「また酷い偏見ですね」


 すぐに信じちゃう穂波さんもあれだが、それを教え込む保奈美先生は悪魔だと思いました。


「と、とにかく! 恭太がこういうお店行ってないでしょうね!?」

「行くわけないじゃないですか! 俺まだ高校生ですよ!?」


 何を言っているんだこのポンコツ痴女は!?


「そう、なら恭太が今後もそう言うお店に行かないよう。私がこうして洗って癒してあげる」


 そう言って、ガシっと俺の肩を両手で掴むと、穂波さんは身体を上下に動かし始める。


 その瞬間、その穂波さんほ暴力的な胸がツっと俺の背中を擦る。

 柔らかい感触が背中全体に伝わって、思わず身震いしてしまう。


「どうしたの恭太、大丈夫?」


 心配した穂波さんが耳元で語り掛けてくる。

 今はちょっと耳元でそう甘い吐息を吐きながら話しかけるのホントやめてください! 身体に悪いから!


「いやっ、ちょっとくすぐったかっただけです……」

「そう……なら、続けるわよ」


 そう言って、穂波さんはさらに密着する力と擦る力を強めて俺の背中を洗っていく。

 むにゅりと俺の背中に押し付けて潰れている胸の感触が、スク水越しではあるがめちゃくちゃ伝わってくる。それに、サイズが合っていないから、はみ出ているであろう谷間と横乳が直に当たって……


 これはヤバイ……マジでヤバイ!

 瑠香の時もやばかったけど、それ以上にヤバイ!

 もうヤバイ言い過ぎて何をヤバイのかも分からなくなっているが、俺と穂波さんは同居しているただの生徒と教師の関係だ。

 胸を触った仲とはいえ、これ以上俺が暴走してしまったら、ただ事では済まなくなる。


「ほ、穂波さん……ストップ」

「もうちょっとだから、我慢しなさい」


 穂波さんは洗うのをやめてくれない。それどころか、ラストスパートと言わんばかりにさらに擦るスピードを速めてくる。


「ちょ……穂波さん」

「な、なぁに?」


 穂波さんも何故が呼吸を荒くして、甘い吐息を吐いていた。

 その吐く息が俺の耳に当たるもんだから、その艶めかしい声が直で脳内で響き、俺の堤防も限界に近づいていた。


「はぁ……はぁ……恭太ぁ~どうかしらぁ?」

「は、はい……いいです……」


 本当は止めさせなきゃいけないのに、その穂波さん艶めかしい声とこんなに密着させられた状態で尋ねられたら、そう答えるほかない。


「ん、んんっ……!」


 すると、穂波さんが一番の嬌声な声を上げる。

 そして、ビクっと身体を震わせると、ベッタリと俺の背中に身体を預けてもたれかかってくる。


 今日一番の密着度に俺は一瞬頭が昇天しかけたが、何とか耐えた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 穂波さんの息は荒く、吐息を首筋に何度も吹きかけてくる。

 素でやっているのだろうが、この人は元々エロい身体なのだから、もう少し男を誘惑する加減というものを覚えて欲しい。こんなエロエロ攻撃頻繁にされたら身が持たない。まあ、言ったとしてもポンコツだから制御できないんだろうけど。


 俺レベルじゃなかったら、絶対に襲われている。

 穂波さんの将来が心配になりながらも、俺は寄りかかっている穂波さんに声を掛ける。


「穂波さん?」

「はっ!」


 ふと我に返った穂波さんは、ばっと身体を離した。


「洗い終わったわ。つ……次は……」


 穂波さんが頬を染めながら、チラっと俺の身体の前を見つめているのが鏡越しに分かる。


「こ、ここは自分で洗いますから平気です!」

「そ、そうね! そうして頂戴」


 前まで洗われたら、本当にそう言う行為をしているように見えてしまう。

 というか、俺が我慢できる自信が無い。


「確かにこれは、男性が虜になってお店に行ってしまうのも分かるわ」


 鏡越しに穂波さんを見ると、穂波さんは顎に手を当てて、何やら納得した様子で頷いている。


「穂波さん?」

「ど、どうしたの恭太?」

「大丈夫ですか? 何かボソボソ言ってましたけど……」

「え、えぇ……問題ないわ。それじゃあ私は上がらせてもらうわ」


 そう言って立ち上がる穂波さん、その時だった。

 何度も俺の背中にこすりつけていたからだろう。

 立ち上がった瞬間に、そのサイズの合っていないきつい水着から解放されてうれしいよぉぉぉ!!っというように、ぷるんと上下に揺れながら、穂波さんの豊満なおっぱいがぷるぷるぷるるんと現れた。


 穂波さんのおっぱいぷるるん攻撃。


「きゃっ!!」

「うわっ!」



 こうかばつぐんだ。



 俺と咄嗟に視線を下に向ける。HPはほぼ瀕死状態だ。

 見てない、穂波さんの頂点の綺麗なピンク色の乳首なんて見てないぞ!?


「み、見た……?」


 訝しむように尋ねてくる穂波さん。


「み、見てません!」


 俺が必死にそう答える。


「むぅ……じゃあこっちみなさい」

「へっ、なんで?」

「いいから!」


 そう言って、穂波さんは俺の肩を掴んで身体をこちらへと向かせた。

 驚いて顔を上げてしまうと、そこには頂点の部分を隠しただけの所謂手ぶら状態で恥ずかしそうに頬を赤らめている穂波さんの姿があった。


 手から大きくはみ出しているのその乳!

 思わず、『地球は肌色だった』という別の名言が生まれてしまいそうなくらいに素晴らしい光景だった。


「もう……恭太のエッチ」

「いや……穂波さんが向かせたんでしょ?」

「そんなこと言って、私のおっぱいに釘付けになってくるくせに」


 いじらしく、艶めかしい視線で言ってくる穂波さん。


「そんな恭太には、後でたぁっぷりと、お・し・お・きが必要みたいね!」


 キランっと可愛らしいウインクをして見せる穂波さん。

 正直、今の俺の状態で穂波さんのお仕置きなんてされたら、我慢できる気がしない。

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