第4話「浮気追及?」

 ペアルックを買い、満足して家に帰ったつもりでいたが、部屋に入った途端に暁美が私の服の裾を掴む。

「暁美、どうかした?」

 振り向いて顔色を伺うと、ふくれっ面の暁美に私は混乱してしまう。何か気に入らないことでもしてしまっただろうか、それともペアルックのデザインが気に入らなかったとか? おろおろとしていると、暁美がその口を開いた。

「お店でのあの女の人、誰ですか」

 急に出た敬語が、まだ先後輩だった頃に戻ってしまったように思えて、胸が痛む。店での人、というと、月美の事か。確かに仲良く話してしまったが、まさか暁美が嫉妬してしまうとは思ってもみなかった。

「ごめんね、大学の時の後輩なんだ。でも大丈夫、私は、暁美が一番だから」

 精一杯の謝罪をして、そっと抱きしめてやる。妬いている姿は可愛いとも思ったが、それ以上に申し訳なくて、中々こればっかりは余裕が無くなるなと、暁美の熱を感じながらに思う。

「分かった。妬いちゃって、恥ずかしいな」

 暁美は恥ずかしそうにそう言って、私の胸の中でじっとする。素直で感情が出やすい所は、思いがはっきり伝わって私は好きだ。そんな愛おしさを噛み締め、頭をそっと撫でる。

「そうだ、本当に私が好きだったら、証明してみせて。もっと、愛して」

 少しだけ私より低い身長から、見上げた上目遣いで甘えるようにそう言われると、私はあっさりと理性がちぎれる。全く、誘うのが上手い彼女だ。そうして、私は一夜を愛の証明に費やす。

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