「たんぽぽ」

「あなたはたんぽぽに似てますねぇ」

「ほう、この妾が雑草に似ておるとな? 良い、その喧嘩買」

「雑草なんて草はありません!」

「ひぶ!」


 ぺちと顔を叩けば、ショックを受けたように乙女座わりした彼女。そこで我に返った私が謝ると、いつもの調子でどこが似ているのか問うてきた。


「英語でダンデライオン、可愛いのに勇ましいあなたにそっくりです」


 それを不意打ちされたような顔で聞いた彼女は、唇を結び抱きついてきたのだった。

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