「送り紙」

 羽ペンにインクを吸わせ、文字を書いた紙を燃やす。何枚も何枚も感謝の言葉を綴った紙を自室にて燃やしていると。


「家畜何をしておる?」

「あ、送り紙をしてます」

「なんだそれは」

「学園の行事なんですけど、感謝や嬉しさを書いた紙を燃やして心に届けようってことなんです。あ、もしかして臭かったですか? 無臭の紙を使ってたんですけど」

「いや、……良いことだ」


 そう言って私の隣に座った彼女に、紙と羽ペンとインクを譲った。

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