「菖蒲湯」

 風呂上り。


「お風呂入って行きませんか?」

「!!」


 背景に雷を落とした顔で、次に口をおさえ俯いた彼女。そんなに風呂嫌いなの?


「わ、妾と……とうとう枕を交わしたいとな?」

「ま? いえ、今日は菖蒲湯なのでどうかなぁ? って」


 お花も浮かべてるしいい香りですよ。続ければ。

 ぎっと涙目になった彼女が。


「勘違いさせるようなことをするでないわたわけっ!」


 と怒鳴りつつも、花の匂いを証明するため差し出した腕はくんくんされた。

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