「桜餅」

「今日の八ツはなんだ? 家畜」

「今日のおやつは道明寺の桜餅と新茶です。いやぁ春ですね」

「おぉ道明寺か。妾の好物ぞ」

「知ってます、私の職業お忘れですか?」

「……よくやるものよな」


 呆れたように畳の上に座る彼女のために用意したと言うのに失礼な。

 ぴったり3時に黒い雷で現れ、桜餅へと手を伸ばした彼女に、準備していたお手拭きで拭いてから。

 葉をのけてつぶつぶのそれに思いっきりかぶり付いた八重歯が可愛い彼女だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る