第9話 だから恋愛は嫌いなんだ

「今更やめてーだって?そんなのやめるわけ無いだろ!」


 ついには顔めがけて殴ろうとしてくる加害者女子の醜い暴行。


「助けて!」


 冷涼は今まで言わなかった助けを呼ぶ言葉を発する。


「分かった。任せろ」


 俺は冷涼の前に出て、暴行犯の拳を受け止める。

 そしてなぜかあの選ばなかった選択肢の内の1つの言葉を思い出し、言い放つ。


「ブスは死ね」


 そう言ったあと、体育の授業や動画を見て覚えた柔道技、小内刈りをする。


「まぁ殺さないけどな、受け身取れよ!」


 忠告し、ちゃんと倒れながらも受け身をとった女子は痛そうな顔をする。


「予習復習しといて良かった。痛いだろうがな、あいつの心のほうがもっと痛かったと思うぞ。これに懲りたらいじめは止めとけ、お前らもだぞ!」


 後ろのつるんでいた女子にも忠告すると、逃げていった。


「大丈夫、ぐふ!」


 大丈夫か確認しようとすると、いきなり冷涼が抱きついてきた。


「怖かった。私怖かった」


 冷涼が抱きつきながら泣く。


「はいはい、よく頑張った」


 俺は適当にこいつの涙をあしらう。


「もう!適当言って!それに……こんなことで好きになるとか勘違いしないでよね!」


(あれえ?今までは好きではなかったということか?。ていうかツンデレが言うと、好きという告白と受け取ってしまうんだが……。

 最悪だ)


 問題を解決したはいいが、冷涼が俺を好きになるという新たな問題ができてしまったのだった。


「これだから恋愛は嫌いなんだ」


 そうつぶやく真だった。




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