2-7.世界でのゴーディアン-アジア編

 『闘士ゴーディアン』はアジア圏でも放送された。本稿では分かる範囲で紹介する。


 香港では1986年頃『战士高狄安』『戰士高迪安』のタイトルで放送され、OPとEDは日本版のメロディに独自の歌詞をつけたものが蔣慶龍によって歌われた。

 台湾では『黑豹傳奇(黑豹勇士)』のタイトルで1987年に放送された。主題歌「黑豹傳奇」は台湾のオリジナル主題歌で、子供が歌っている。Wikipediaでは「少年之音合唱團成員:唐貴馨、唐貴君」と表記されている。

 台湾版はWikipediaで大体の翻訳を知ることができる。プロテッサーは「足球王」、デリンガーは「神劍鬥士」、ガービンは「黑豹鬥士」。マドクターは「毒魔黨」。「白光剣」「赤光剣」等、そのまま使われた単語もある。

 キャラクター名も直訳ではなく一部漢字名に直されている。ダイゴは高迪安(高が名字で「迪安」が名前。続けて読むとゴーディオンと聞こえる)、クリントは黑豹、サオリは莉沙、チョコマは小雷、アンノンジーは安農長官、ピーチィは菲菲、竜馬は黃國龍、大滝博士は高博士、等。

 台湾版の高迪安(ダイゴ)役はWikipediaによれば「馮錦堂」。2020年6月に引退するまで数多くの作品で活躍したとのこと。香港版は不明。


 韓国でも放送されたが、日本文化の輸入が公に認められなかった時期でもあり、詳しいことは分からない。当時の視聴者の記録によれば、有線放送やレンタルビデオで視聴されたとのこと。主題歌は日本版の韓国語訳に近く、子供が歌っている。吹き替えされていたが、ダイゴは最初女性声優が担当していたのが男性に変わったという記述もある。


 インドネシアでも視聴されていたが、字幕だったか吹き替えだったのか分からない。ビデオソフト化されていたことがネットの資料で分かる。

 インドネシアでは、アニメや特撮の本編を再構成したオリジナルドラマ版がカセットセープで発売されていた。かつて日本でソノシートが発売されていた頃によく見られたものだ。私が確認できた二話分のテープは、5話「デス・バレーの死闘」7話「夕陽のカーペ・ヴィレッジ」が元ネタと思われる。

 主題歌は日本版のまま。声優はインドネシア人が吹き替えているが、オリジナルも同じ人が吹き替えていたのかは分からない。チョコマの声は子役がやっているように聞こえる。BGMは関係ない映画音楽等の流用と覚しきものを使っている。


 次回は日本に戻り、LDやDVDのソフト発売について語りたい。

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