2-2.絵本でのゴーディアン(その1)

 『闘士ゴーディアン』では子供向けの絵本も多数発売されていた。ほとんどが初期設定を参考に描かれたものだが、各作家の個性が見えて面白い。私が入手したものから紹介したい。絵本なので、見開き1ページとして表記する。


 朝日ソノラマ『闘士ゴーディアン』主題歌のソノシート付き 350円

 構成・絵 菊池晃夫(タツノコプロ)


 菊池晃夫はタツノコプロで『科学忍者隊ガッチャマン』の作画や『タイムボカン』のコミカライズに関わっていた。

 タイトル通り、主題歌「闘士ゴーディアン」のソノシートと一緒に販売されていたもの。私の手持ちはソノシートが欠品(その後別ルートでソノシートを入手)。JASRACのシールが裏表紙に貼ってある。

 表紙はゴーディアンと電子ロープを持ったダイゴ、バルバダス。

 1ページ目は「闘士ゴーディアン」の歌詞と共に、アンノンジー長官の命令で出撃するダイゴとクリント。バックでビーグルに乗り組むメカコン隊員たちが描かれている。

 2ページ目は司令船内から指令するバルバダス。前方でマドクター兵が操縦している。

 3ページ目はホバーに乗るマドクター兵を襲うクリント。

 4ページ目はサオリ、ロゼ、チョコマに見送られて出撃するゴーディアン。ゴーディアンの内部が透視されており、中にデリンガー、プロテッサー、ダイゴが見える。

 5ページ目はホバーのマドクター兵と戦うプロテッサー。ゴーディアン・ボムを使っている。ホバーが壊されたマドクター兵の表情が面白い。

 6ページ目はガービンに嵌入するプロテッサーと、マドクター司令船に攻撃されるデリンガー。手には白光剣タイプの剣。バルバダスが笑っている。

 7ページ目はフットミサイルでバトルピューターを攻撃するガービン(ガービィン表記)。司令船は地下に潜って逃げる。

 8ページ目はダイゴ・クリント・バリー・アンノンジー・ダルフ・ピーチィが歩き、バックで石段に座るサオリ、ロゼ、チョコマ。

 裏表紙はゴーディアン3体とダイゴ、クリント。全ページを通してマドクター幹部陣は全く出てこない。


 ちなみに、4ページ目の原画は新宿ゴールデン街のアニメバーに展示されていたのを客として訪れた外国人がブログで紹介している。2007年の記事なので、現在の状況は不明。


 ひかりのくにテレビ絵本 25 『闘士ゴーディアン 1』 250円

原作/タツノコプロ 構成・背景/ルーニア高橋 画/しいはし・いく


 「1」となっているが、続巻は出てない模様。ルーニア高橋はWikipediaによればタツノコプロ出版部部長、たつみ勝丸の別名。しいはし・いく もタツノコ作品の絵本に多く関わっている。

 1ページ目はダイゴとクリントをメインに、ピーチィ・チョコマ・ダルク(ダルフ)、ロゼ、バリー、チョコマと丸囲みでサクシダー、エリアス、クロリアスが紹介されている。バルバダスはこの絵本には出てこない。ロゼとサオリに挟まれたバリーが嬉しそう。

 今日はフルーツ・コントロール・センターのパトロールだ。元ネタは1話の菜園コントロール・センターだろう。ヴィクトールタウンの表記が初期設定の「ビクトール・シティ」になっている。

 2ページ。ダルフ・ピーチィ・チョコマがフルーツを食べていると、マドクターが襲撃してきた。ピーチィの前にあるトゲのあるメロンのような果物が謎。もしかしてドリアン?

 ホバーに乗ったマドクター兵はともかく、頭部のみのバトルピューターが飛んでいるのはシュール。本文では「バトルフィーバー」と誤植。同時期に放送していた東映の『バトルフィーバーJ』につられたのだろうか。

 3ページ。クリントに乗ったダイゴがマドクター兵に電子ロープを振るう。そこにドラゴンガロボが現れた。バックにホバーに乗るメカコン隊員も描かれているが、色はアニメとかなり違っており、ビーグル戦車の後ろに乗っているメカコン隊員もいる。

 ドラゴンガロボのモチーフはドラゴンだと思われるが、デザインは絵本オリジナル。

 4ページ。トラゴンガロボの破壊光線にやられるメカコン隊員。その時、サントーレから飛び出した光がダイゴ目指して飛んできた。プロテッサーに入るダイゴのポーズが両手を挙げて飛び上がっておりウルトラマンのよう。

 5ページ。プロテッサーとトラゴンガロボの戦闘をモニターで見守るマドクター幹部陣。デリンガーが剣を持って加勢に来る。

 6ページ。デリンガーに嵌入するプロテッサー。ガービンも駆けつけた。こちらは正しい表記。

 7ページ。デリンガーがガービンに嵌入し、フットミサイルでドラコンガロボを破壊するゴーディアン。こうしてみると、初期ゴーディアンの武器の少なさがよく分かる。

 裏表紙はゴーディアンをバックに銃を持つダイゴとクリント。


 講談社のテレビ名作えほん 『ヒーローロボット大図鑑 2』 280円

絵/タツノコプロ・ふくおかげん・渡辺正美・日本サンライズ 構成/ぼるぼっくす(デザイン・佐藤政美)

 自社の幼児向け雑誌の記事などをまとめた四角形の絵本。この本ではゴールドライタン、ダイオージャ、ゴーディアン、トライダーG7が取り上げられている。前半はサンライズロボ、後半はタツノコロボでまとめてある。

 ゴーディアンの記事は『テレビマガジン』に掲載された渡辺正美のゴーディアン嵌入イラスト、内部図解イラストを掲載。他に「パワーのガービン メカへいきのひみつ」のタイトルで必殺白光はっこう(正しくはびゃっこう)剣 とシャインシェルドを持つガービン。シャインシェルドの絵が全く似ていないが、解説には「強力なたてで、ダンプカー500台をはねとばすことができる」とある。他に「パンチ力は五ばいになる」と書かれたガービンフッカー、「わずか0.5びょうで、トラック三十台をふきとばしてしまう」と書かれたフットミサイルが紹介されている。

 次ページでは「わざのデリンガー、スピードのプロテッサー」の兵器紹介。

 プロテッサーの投げるボムドリラーはゴーディアン・ボムからドリルが生えた形状ではなく、銀色の本体の後ろに黄色いトゲが四本出ており、後ろ中央に赤い突起が見える。「必殺けん」として紹介されているのは緑光剣ではなくアームカッター。

 デリンガーは本編では披露したことのない両手のミサイルパンチ、電子ヌンチャクが描かれている。電子ヌンチャクの解説は「カンフーのわざといっしょにつかうぶきで、てきの体にからませ、電子エネルギーでたおす」とある。ダイゴの電子ロープのような性能だ。

 裏表紙は四体のロボットが敵を倒すカットで、ゴーディアンは30話の闘獣士ドリゲラン(シナリオより)戦が使われている。


講談社 「おともだち」絵本シリーズ おもちゃブック 「きょだいロボットのひみつ2 鉄人28号 ゴーディアン」 280円

協力/ホピー 写真・構成/スタジオシーサイド


 ポピーの超合金2体を紹介する絵本。81年1月初版。私の手持ちは4月の2版であることから、人気絵本だったようだ。裏表紙では「おもちゃやさんにいけば、きみたちもこのきょだいロボットにあえるよ。」と販促している。

 基本超合金の写真で構成されているが、渡辺正美のイラストも使われている。デリンガーの赤光しゃっこう剣が「セキコウケン」、ガービンの白光びゃっこう剣が「ハッコウケン」と誤った読み方になっている。


 次項では栄光社の絵本を紹介したい。

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