1-69.69話「次元谷の怪物(モンスター)」
今回の内容は、ある意味最終回の補完になっている。ダイゴたちが旅だった後の物語をこのタイミングで明かしたのは、もしかしたら関西地方の放送状況が関係あるのかもしれない。関西地区では80年12月27日まで関西テレビが放送していたが、サンテレビに移動後最終回まで放送されずに打ち切られたという。
それでは見ていこう。
69話「次元谷の怪物(モンスター)」 1981年1月25日
脚本 :山本優
演出 :秋山勝仁
作画監督 :松井栄
あらすじ
アノー号は、オリオン星雲の彼方へ向かって銀河の外側を目指していた。アダムⅢに言わせれば、地球の時間は見かけの時間としてしか使えず、アノー号が地球を出発してからどれほどの時間が経っているのかは分からない。食料はクローンスリープ装置で保管してクローン可能だが、栄養価や鮮度は次第に減っていくのだとサオリは言う。「腹一杯になればいいか」と達観したダイゴ。
その時、ダルフが地球言語のSOS信号をキャッチした。しかもその信号の発信主はアノー号発進から20年後に作られたサントーレ号の艦長、ジェロニモ17世だというのだ。にわかには信じられぬ事態に戸惑う乗組員たち。ダイゴはドクマ円盤の罠かもしれないと主張するが、サオリたちは考えにくいと否定する。アノー号はレベル3で発信源に向かった。
そのころ、ドクマ円盤でもサントーレ号の通信をキャッチしていた。毒魔大帝統は、空間の三次元と時間の四次元、そして五次元の層が複雑に絡み合って出来る次元の陥没地帯、いわゆる次元の谷にサントーレ号が飛ばされたと推測する。円盤はアノー号を追いかける。
SOSの発信源近くにアノー号が近づいたところ、突如衝撃が起こり、アノー号は未知の空間に引きずり込まれた。気がつくと、地表に謎のうごめきが見える惑星に、アノー号と似た宇宙船が捕らわれているのが見える。ゴーディアンとバック、ピーチィが出撃した。
サントーレ号の中に入ると、メカコン制服姿の船員の死体が点在していた。コントロールルームに入ると、そこにはジェロニモによく似た金髪の青年が倒れていた。青年はダイゴが助け起こすと目を開け、ジェロニモ16世とロゼの息子、ジェロニモ17世だと名乗った。ダイゴたちのことも写真で見ており、両親に活躍を聞かされて育ったという。
ジェロニモ17世はかいつまんでこれまでのいきさつを話す。サントーレの人々は地下都市で元気に暮らしていること、花巻博士がアノー号に似せてサントーレ号を作り、第二次宇宙船団として出発したこと、木星付近で謎の空間に飲み込まれ、気がつくとこの空間にいたこと。惑星状の生命体は謎の磁場でサントーレ号を捕らえ、33分ごとに襲ってきて乗組員を殺しイクストロンを奪っているという。生命体の急所をアノー号で破壊すれば脱出できるかもしれないとのジェロニモの提案をダイゴたちは了承した。ゴーディアンは早速偵察に出発する。
アノー号では、生命体の探査を行っていたが急所が発見できない。そこにアダムⅢが現れた。アダムⅢは危険がアノー号にも及ぶかもしれないと判断し、救出を止めようとするが、バリーたちの仲間を助けたいという思いは止められない。アダムⅢは「これ以上何も言わん」とすねたように消えてしまった。
バリーはいざとなればアノー号のイクストロン第四タンクを解放し、サントーレ号を庇おうと考えていた。しかし、ゴーディアンが生命体の触手に捕らえられ、助けようとしたアノー号も捕まってしまう。第四タンクを囮にして凌ごうとするが、このままではアノー号もやられてしまう。もがく彼らの上部に、怪しく光る衛星が見えた。
その衛星の影にはドクマ円盤がいた。毒魔大帝統はエリアスに衛星の消化中枢を破壊し、限度を超えさせるよう仕向ける。衛星に見えたのはこの生命体の中枢で、乗員の生命が吸い取られたのを見計らってアノー号を乗っ取ろうというのだ。
しかし、ダイゴも衛星の正体に気づいた。ゴーディアンは捕まって動けないため、アノー号に通信する。バリーは必死に
帰還したダイゴは、サントーレ号が無事に元の空間に戻り、自分たちのことを地球に伝えてくれることを祈るしかなかった。
解 説
予告のルビと安原義人のナレーションが違っていると大体ナレーションが採用されるゴーディアンだが、今回はルビを採用。
バリーが宇宙についての勉強もしていると話すシーンがある。何もなければ航行中は暇だし、チェスターにでも講義を受けているのだろうか。
アノー号の食料はともかく、水や生活物資は大丈夫なのだろうか。アノー号には自然環境ドームもあるのだが、そこは畑に転用できないのだろうか。しかし、人間をクローンするために作られたであろう装置にジャガイモが入っている絵はSFでもそうないのでは。
ジェロニモ17世の声優はおそらく吉田理保子。青年の声にはちと苦しい。
ダルフの通信機もイヤホン型からヘッドセット使用に進化してる。
サントーレ号に入る時、通路の入り口でパージするダイゴ。宇宙なのに大丈夫なのだろうか。プロテッサーで入れば良かったのでは。
アノー号の武器、
本編でテライ、カルナの名前が初めて呼ばれる。しかし見かけはほとんど同じなのでよく分からない。テライの方が目が大きめ、カルナがきつめに見えるが描き癖かもしれない。二人並んで立っているときは基本左がテライ、右がカルナのようだ。できれば髪型が違うとか、見分けられるようにして欲しかった。
今回アノー号は地球に20年間帰っていないという事実が判明するのだが、それについて本編での感想はなかった。時間軸と見かけの時間の差が分からない以上、真実についての結論は出ないということだろうか。
今回の名言
「図体のでかい割には三度に分けて襲うたぁずいぶん小食じゃないか」(ダイゴ)
謎の生命体に突っ込み。
こぼれ話
『ジ・アニメ』1981年2月号(vol.15)放送予定欄の質問コーナーでは、由井プロデューサーが視聴者の質問に答えている。どちらも12・3歳の女の子と思われ、女児も楽しんでいたことが窺える。
「ゴーディアンを動かせるのはダイゴだけなのか」という問いには、「さゆり(サオリを誤記したのか勘違いかは不明)も動かせるが戦闘はできないので実質ダイゴだけ」と答えている。
「ダイゴが好きな人は誰か。これからの放送で恋物語はあるのか」という問いには、「ダイゴの好きな人はピーチィです。ピーチィも口には出しませんが、ダイゴのことをニクからず思っています」と答えているが、恋物語はないと断言している。
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