第10話 彼女は居ないらしい
梅雨の谷間?
今日は朝からいい天気だ。
という事で、今日はビルの屋上にて昼飯を食べている。
「いい天気ですね」
「ん? えーと確か総務の川原君?」
「はい。覚えててくれましたか」
「ん。どうしたの?」
「実は相原さんに相談したいことがありまして」
1人で食事をしていると総務の川原君が声を掛けてきた。
社内システムのメンテナンスや担当しているサイト更改の関連で前に少し話しをしたことはあるが、正直そこまでは親しくない。
『なんだろ?』
「恋愛相談なんですが、相原さん得意とお聞きして」
『何その話。
ここ数年というか社会人になってから彼女とか居ないんですが。。。
というか俺が相談したいくらいなんですが。。。』
急な申し出に少し動揺しつつ
「誰かと間違えてるんじゃないかな。恋愛相談とかしたこと無いよ俺」
「あれ?おかしいなぁ〜
でも彼女さんとすごく仲良くしてるとか聞いたんですが?」
「あ、やっぱり人違いだよ。俺 今彼女とかいないし」
「えっそうなんですか?(よっしゃ彼女いない確定!)
じゃぁ本当に人違いなんですね。失礼しました」
「いや、いいんだよ気にしないで。ちなみにどんな話だったの?
当たり障りのないコメントしか出せないと思うけど良ければ相談のるよ」
「えっいいんですか?(普通にいい人だなこの人・・・)」
勢いで相談のるとか言っちゃったけど俺の恋愛偏差値はかなり低いぞ。。。
大丈夫か?川原君!!
「ありがとうございます。では折角なので。
近所に住んでる1つ年上の幼馴染が居るんですが・・・・」
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side 美樹&かなめ1
「美樹 美樹。ちょっとこの写真見て」
「ん? どうしたの写真?
って、この女の人だよ。相原さんと居たの」
「おっ ビンゴだね。
その子 相原さんの部署に配属になった新人さんらしいよ。
それから相原さんは今フリー(彼女居ない)だって」
「ほ 本当? 昨日の今日でどうやって調べたの!!」
「私の情報網を甘く見ないで欲しいなw
というか、昨日電話で知り合いが相原さんと同じ会社に居るって
話ししたじゃん
午前中電話して聞いたら調べてくれたんだよ。
そしたら、女性の方はすぐ分かったんだけど、彼女居るかは流石にわからない
からって相原さんと昼一緒に食べて、さり気なく聞いてくれたみたい」
正直なところ直接確認取ってくれるとは思わなかったけどね。
昔から本当仕事が早いというか・・・
私がお願いすると最優先で対応してくれるんだよね。
「でも、知り合いの人が居たとか凄い偶然だよね」
「ライズって去年事業拡大で人員大募集掛けてたでしょ。
それで知り合いも入社したんだよ。業界じゃ結構知名度のある会社だしね。
まぁ私も相原さんの社名聞くまで、あいつが同じ会社に居る事忘れてたけ
どね。。」
「そうなんだ。でも本当ありがとう。少し安心したよ。
そのお友達にも感謝だね。何かお礼したいな」
「あっ気にしなくて大丈夫だよ。そういうの気にする奴じゃないからね。
お礼言ってたってのは伝えとくよ。
でもさ、そいつの情報だと相原さんって結構社内の女性にも人気ある
みたいだから、狙ってるなら早めに告白した方がよさそうだよ
結局のところ何か進展したわけじゃないんだしね」
「が、がんばります!」
でも美樹のおかげで慎吾に連絡する口実も出来たし、予想外に美術館にまで誘ってもらったし。。
二人で出かけるの久しぶりだな。ちょっと楽しみかも。
「ありがとね」
「ん 何が?」
「うん 何でもない」
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事務所に戻り、メールをチェック
昼食後のこの時間帯は眠気と戦うのが大変だ。。。
特に急ぎで対応しなくてはならないメールも無さそうと思っていた矢先
早瀬さんからの新着メール!
『次回定例会について』
次回の定例会は13:00から御社にお伺いしての開催かと思いますが、
外せない対応が入ってしまい大変恐縮ですが17:00からの開催に変更
出来ないでしょうか?
〜
定例会の時間変更の依頼メールだった。
この日は、時間指定がある打ち合わせはこの定例回だけ。
見た限り会議スペースも空いてるし問題無いという事で早瀬さんに返信。
『Re:次回定例会について』
特に問題ございません。会議スぺースも予約しましたので、
17:00という事でお待ちしています。
17:00からだと終わったら業務終了かな。
次回の定例会はカラオケオフと同じ日だし、定時で上がって新宿なら丁度いいくらいかも
ん?もしかして美樹さんと一緒にお店に行けたりするのか!
新橋の事務所から新宿のお店まで大体30分くらい。
ベタにガボールの話しすれば良いのかな?いやガボールはカラオケ行ったら話せばいいし、、
いきなりプライベートな話しするのもなぁ〜
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side 美樹&かなめ2
「かなめ! 時間変更OKだって」
「おぉ第1関門突破だね。後は打ち合わせ終わった後にさり気なく業務終わりの
時間を聞いて一緒に会場に行けるかだね。」
「オフ会はかなめと香澄ちゃんも来てくれるんだよね?」
「うん 行くよ相原さんって人も見てみたいし、久々に香織さんと話もしたいしね」
「でも3人揃ってのカラオケも久々だね。前回は初詣行った帰りだったっけ?」
「そうそう正月料金で高かったけど、3人でひたすらアニソン歌ったねぇ〜」
私と香澄はガボール含めた打ち込み系音楽が好みだけど、かなめはどちらかというとギターサウンドメインのバンド系の音楽が好き。
自分の好きな歌を歌う事ももちろんあるけどお互い知らない曲とかもあるし、3人集まると大体共通で盛り上がれるアニソン祭りになる事が多い
同世代という事で見てきた番組も大体同じだし何よりアニソンって盛り上がるんだよね。
皆インドアだし、アニメは結構見ていたのだ。
「あっ アニソンとか言うと相原さん引かないかな。。。」
「大丈夫じゃない?そんなマニアックなわけでもないし、歳も近いでしょ。
意外と一緒に盛り上がれるかもよ。
二人でカラオケデートでもしてみたらw」
いきなり二人きりで個室はハードル高いかも。。。
ってアラサー女子の言う事じゃないよねきっと
でもオフ会行くくらいだからカラオケとか好きなんだろうし案外いいかも。
「まぁ、定例会の後直帰出来る様に今のうちに早く仕事終わらせよ
仕事残ってたら一緒に会場行けなくなるぞw」
「確かに。。。とりあず頑張る!」
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