転生【アンドロイド②】

今日は、どんな夢が見れるかなぁ。




夢の中で、目を覚ました。変な話なんだけど。




この家には、誰もいない。パパもママも。僕は裸足のまま、パジャマ姿で外に出た。外は、異常に暗かった。




ほっぺをつねってみる。



痛くない。………やっぱり、まだ夢の中だ。




「っ!?」




突然、大きな音が全身に響いた。大地が震える。夜空を見上げて、驚いた。月のない黒い空を巨大な船が、優雅に突き進んでいた。




「あれはね、Q型宇宙船だよ。遠い遠い宇宙から地球にやって来たんだ」





隣には、いつの間にか相棒のロボットがいた。




「えっ……。じゃあ、あの船には宇宙人が乗っているの?」




「うん」




「すごいっ!! 本当に宇宙人っているんだね」




僕は、宇宙船が見えなくなるまで空を見続けた。




「でもあの船の宇宙人からしたら、サトル君も立派な宇宙人なんだけどね。まぁ、向こうはあまり人間が好きじゃないみたいだけど……」




突然、目の前が明るくなって炎の柱が何本もできた。そこらじゅうで火事が発生。燃える家。さっきの宇宙船が、静かに戻ってきた。船から細くて青白い光を出して、今も僕たちを攻撃している。




「サトル君。私から離れちゃダメだよ。死んじゃうから」




僕は、怖くて怖くて。ロボットの体にギュッと抱きついた。




こうやって、くっついてるだけで……なんだか安心できる。




燃える。燃える。燃える町。僕が住んでる町が、敵に攻撃されている。どんなにヒドイことをされても何も出来ない。




ホントに最悪だ。この世界。




でも……。僕には君がいる。それだけで僕は、こうやって目をそらさず悪夢を見れる。




「終わったの?」




「うん。もうこの辺には、人間は一人もいないからね」




「僕たちは、助かったんだ……」




「うん。彼らに私たちの姿は見えないから。これは、夢。サトル君の」




「本当に、これは夢なの?」




「夢だよ。サトル君は、この世界の住人じゃないから」




「住人……? 良く分からない」




相棒は、用水路の側にしゃがみこんだ。



黒い濁った水が流れている。とっても鉄臭かった。





「どうしたの?」





「……」





相棒は、ドブから拾った一枚の写真を見ていた。



僕も写真を覗きこむ。




その写真の中には。




写真の中にはーーーー






『僕がいた』





パパとママと僕。それと相棒のロボットが仲良く並んで映っていたんだ。


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