転生【アンドロイド①】

僕は、今日も夢を見る。格好つけるなら、夢の旅人。夢は、見るまでどんな夢か分からない。もしかしたら、怖い怖~い悪夢かもしれない。でも、大丈夫。僕には、ロボットの相棒がいるから。




夢の中で目を開ける。僕は、草の絨毯の上に立っていた。広くて先が見えない。太陽の匂い。ポカポカして、とっても気持ちが良かった。





これは変な話だけど、夢の中でまた寝そうになった。






「ねぇ、ねぇ。何してるの?」




僕の隣には、相棒のロボット。さっきから、何かの機械? を作っていた。




「それは、何?」




「過去と未来を行き来する機械だよ。タイムマシンとか、呼ぶよね」




「タイムマシン? 聞いたことはあるけど見るのは初めて」




「ねぇ……サトル君。サトル君は、過去と未来、どっちに行きたい?」




「う~ん。未来かなぁ」




「どうして?」




「う~ん。過去は、行くものじゃないと思うから。日記とか、アルバムとか、そういうもので思い出すものだと思うから」




相棒は、動かしていた手を止めて、僕を品定めするような目で見ている。黒い豆粒みたいな目。




「サトル君」




「なに?」




「遊ぼう。ほら、あっちのほうに綺麗な鳥がいるから見に行こう」




「えっ! でも……。タイムマシン、まだ完成してないよ?」




「もういいんだ。私には、過去や未来より、サトル君との『今』の方が大事だから」




「ふ~ん。良く分からないけど。まぁいいや。遊ぼっ!」




僕は、ロボットの右手を握り、学校で習った歌を歌いながら元気良く歩いた。




「あれ?」




「どうしたの? サトル君」




「あぁ……うん。何でもない。何でもないよ」





ロボットの手は、機械のはずなのに少し温かかったんだ。


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