無理でした………

「……………無理だった」



魔女のナタリが、星空を仰いで呟いた。



「呪いは、転生しても形を変えて僕達を苦しめるんですね……。これじゃあ、最初とあまり変わらない」



「私のせいで………。本当にごめんなさい」



アンナが、申し訳なさそうに頭を垂れた。



「仕方ないよ。ゾンビの呪いに感染したのは、私のせいだし」



そんなアンナの頭を愛でながら、ナツがフォローをいれる。



すっかり、仲良しだ。



「ってか、こんなに転生を繰り返して……。僕達大丈夫なんですか?」



「う~ん。ヤバいの?」



「いや、分からない。でも……何とかしないと。これからどうすれば良いか、僕なりにもう一度良く考えます」



「コイツ。真面目っすね、お嬢様」



「うん。クッソ真面目なんだよ」



クソって言うな!



…………………………。


…………………。


……………。




雲が移動する速さに比べ、僕達の歩みはあまりにも遅い。


数時間が、無意味に過ぎた。




「例えばさぁ、人間捨てる?」



ナタリが、また呟いた。



「……どういう意味?」



「つまり、ナツ様が人間だからゾンビになったり、獣になったりするわけじゃん。だからさ、一度人間の体を捨てて、再スタートすれば良いんじゃないかなって」



「魂をいれる『器』は、どうするんですか?」



「機械の体を用意すれば良い。アンドロイドを作る」



「アンドロイド?? それは、どこに行けば手に入るんですか?」



「未来。もちろん、この世界には存在しない。でも、私が調べた異世界にちょうど良いのが一つあるの。そこに転生出来れば、必ずナツ様は不死身になれる。……………………試してみますか?」





僕達に拒否権はない。



もう、これで何度目の転生だろうか。


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