リセット!!

久しぶり? に目を覚ますと、白いベッドの上にいた。


消毒液のツンと鼻を刺激する匂い。


左側に、ナツ。右側では、アンナがベッドで寝息をたてている。仲良く横一列。



ここは、町の病院らしい。でも広い院内には、誰もいなかった。



頭を二三回振ってから、外に出る。芝生の丘。見慣れた魔法使いが、本を読んでいた。



こちらには、気づいているだろうが振り向きもしない。



「転生は、成功したんですか?」



「うん。成功した。だから、頃合いを見て、こっちの世界に三人を転移させた。後は、君が錬成した『記憶』をそれぞれの体に戻してみた」



良かった……。これでナツを苦しみから解放出来る。




「転生、転移は確かに成功したんだけどね。でも……厄介な病気も一緒に連れてきてしまったの」



「病気? その厄介な病気ってなんですか?」



「サトルやアンナ、ナツ様は覚えていないだろうけど。転生後の世界で、君達は獣化してしまったの。新種の伝染病みたいなもんに感染して」



「けもの…か?」



「だからね。もう一度、異世界に転移してもらいたいの。今度は、何とかして獣化を消し去って」



「分かりました。次こそ、汚れのない体で戻ってきます。必ず」




《 呪いは、形を変えて死ぬまで僕達を苦しめるんじゃないか? 》



…………でも、それは口にしない。



「気をつけてね、サトル」



「はい。えっ……と、」



「ナタリだよ」



ニコッと笑った。チラッと見えた八重歯が、素直に可愛いと思えた。



「じゃあ、行ってきます。ナタリ」



魔女が振り下ろした大鎌。僕の首をハネる音(二度目)が、やけに大きく耳を刺激したが、さほど不快でもなかった。




死ぬのにも慣れた?


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