胡藩5  胡藩勇将伝説  

後秦こうしん討伐の際、

劉裕りゅうゆう胡藩こはんを幹部に迎えた。

そして別動隊を率いさせる。


ところで船を係留させている時に、

突如大風が吹き、胡藩の船を

黄河こうが北岸に流してしまった!


北岸には、北魏ほくぎ軍。哀れ胡藩の船は、

北魏軍に接収されてしまいました。


が、胡藩。

ふざけんな! と、諦めない。

十二人ほどを引き連れて小船に乗り、

黄河北岸に出向いた。


おいおいなんか少数でしん人が来たよ、

北魏人たち、爆笑である。


よっしゃ分かった、お前ら見てろよ。

胡藩と言えば、弓の達人。

接岸したそばから弓矢を射かけ、

あっという間に十数人を射殺す!


ちょ、なんじゃあの化物!

舟を接収しようとした北魏軍は

慌てて逃げだし、そして胡藩は

無事舟を取り返しましたとさ。

めでたしめでたし。

マジか。



その後朱超石しゅちょうせきらとともに

半城はんじょう攻撃に参加させれば、

北魏軍騎兵に囲まれてしまう。


このとき彼らに割り当てられた兵卒は

子飼いではなく、

新たに割り当てられた者たちだった。

そして兵力は、五千にも満たない。


だが、その鋭い指揮で、

包囲網を打ち破ってしまう。


その後蒲坂ほはんで、姚業ようぎょうと対戦。

ここで朱超石が敗北を喫してしまい、

劉裕本軍にまで

撤退しなければならなくなった。


胡藩、そのしんがりを務める。

朱超石軍が取り落としてしまった

軍資を回収しながら、

悠々と引き上げる。


その堂々たる振る舞いに

姚業は策略の気配を感じ、

追撃を諦めるのだった。




高祖伐羌,假藩寧朔將軍,參太尉軍事,統別軍。至河東,暴風漂藩重艦渡北岸,索虜牽得此艦,取其器物。藩氣厲心憤,率左右十二人,乘小船逕往河北。賊騎五六百見藩來,並笑之。藩素善射,登岸射,賊應弦而倒者十許人,賊皆奔退,悉收所失而反。又遣藩及朱超石等追索虜於半城,虜騎數重,藩及超石所領皆割配新軍,不盈五千,率厲力戰,大破之。又與超石等擊姚業於蒲坂,超石失利退還,藩收超石所捨資實,徐行而反,業不敢追。


高祖の羌を伐たんとせるに、藩を寧朔將軍に假し、太尉軍事に參じ、別軍を統ぶ。河東に至り、暴風が藩が重艦を漂じ北岸に渡し、索虜は牽きて此の艦を得、其の器物を取る。藩は氣厲心憤し、左右十二人を率い、小船に乘りて逕ちに河北に往く。賊騎の五六百は藩の來たるを見、並べて之を笑う。藩は素より射を善くし、岸に登して射し、賊は弦かるに應じ倒る者十許りの人なれば、賊は皆な奔退し、悉く失いたる所を收め反る。又た藩、及び朱超石らを遣わせ索虜を半城に追わば、虜騎は數重し、藩、及び超石の領せる所は皆な割りて新軍を配され、五千にも盈たねど、厲に率い力戰し、之を大破す。又た超石らと姚業を蒲坂に擊ち、超石の利を失い退還せるに、藩は超石が捨つる所の資實を收め、徐ろに行きて反らば、業は敢えて追わず。


(宋書50-5_暁壮)




胡藩さん無駄にカッコイイ伝説。

ほんに何なんだこの持ち上げられっぷり。

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