巻50 武人たち2
胡藩1 いとこの運命
壮侯
既出:謝晦2、檀韶1、王懿5
朱超石2
胡藩。字は
祖父は
父は
胡藩の若い頃に父が死亡、
服喪の際にげっそりとやせ衰えた様子を
周囲に称賛された。
「悲しみが深すぎて
食べ物ものどを通らない」
有様だったわけである。
豫章太守の
秘書であった胡藩の叔父、
「そなたのあの甥御は、
その忠烈さで名を馳せそうだな」
辞退した。
二人の弟の婚礼が済んだところで、
この頃、
また、胡藩の父の姉妹の子、
つまり、いとこの
殷仲堪の幹部となっていた。
胡藩が一時帰省を申請し、
そこには殷仲堪もいた。
殷仲堪、部下の兄弟の来訪をもてなす。
その席上で、胡藩は殷仲堪に言う。
「
だのに立場を得られておらぬことに
懊悩を募らせております。
殷仲堪殿。そんな桓玄に手を貸し、
下手に尊重してごらんなさい。
将来良からぬことが起きても
おかしくございませんぞ」
殷仲堪、胡藩のこの説得に不満顔。
そこで胡藩は席上より退き、
羅企生に対して言う。
「殷仲堪殿のやっていることは、
わざわざ桓玄にご自身を倒すよう
仕向けているようなものだ。
兄上、どうか早いうちに
殷仲堪殿より離れられよ。
ことが起こってから悔やむのでは、
遅すぎるのだ」
胡藩の言葉通り、桓玄は
殷仲堪を攻め立てた。
この時胡藩は郗恢のもとを離れ、
後軍将軍であった桓玄の
幹部となっていた。
殷仲堪は敗北し、羅企生も捕まる。
そして、二人ともが殺された。
胡藩は桓玄の官位が
太尉、大將軍、相國となる間、
ずっと幹部として従っていた。
胡藩字道序,豫章南昌人也。祖隨,散騎常侍。父仲任,治書侍御史。藩少孤,居喪以毀稱。太守韓伯見之,謂藩叔尚書少廣曰:「卿此姪當以義烈成名。」州府辟召,不就。須二弟冠婚畢,及參郗恢征虜軍事。時殷仲堪為荊州刺史,藩外兄羅企生為仲堪參軍,藩請假還,過江陵省企生。仲堪要藩相見,接待甚厚。藩因說仲堪曰:「桓玄意趣不常,每怏怏於失職。節下崇待太過,非將來之計也。」仲堪色不悅。藩退而謂企生曰:「倒戈授人,必至之禍。若不早規去就,後悔無及。」玄自夏口襲仲堪,藩參玄後軍軍事。仲堪敗,企生果以附從及禍。藩轉參太尉、大將軍、相國軍事。
胡藩は字を道序、豫章の南昌の人なり。祖は隨、散騎常侍。父は仲任、治書侍御史。藩は少きに孤となり、喪に居せるに毀なるを以て稱えらる。太守の韓伯は之を見、藩が叔の尚書の少廣に謂いて曰く:「卿が此の姪は當に以て義の烈なるにて名を成さん」と。州府の辟召せるに、就かず。二弟の須らく冠婚の畢るに、及びて郗恢の征虜軍事に參ず。時に殷仲堪の荊州刺史為るに、藩が外兄の羅企生は仲堪が參軍と為り、藩は假に還ぜるを請い、江陵を過ぎ企生に省ず。仲堪は藩を要えて相い見、接待せること甚だ厚し。藩は因りて仲堪に說いて曰く:「桓玄が意趣は常ならず、每に失職にて怏怏す。節下の崇待せること太いに過ぐるは、將來の計に非ざるなり」と。仲堪が色は悅ばず。藩は退きて企生に謂いて曰く:「戈を倒し人に授くるは、必ずや之れ禍至らん、若し早規に去就せざらば、後悔は及びたる無し」と。玄の夏口より仲堪を襲いたるに、藩は玄の後軍軍事に參ず。仲堪は敗れ、企生は果して以て附從し禍が及ぶ。藩は參太尉、大將軍、相國軍事に轉ず。
(宋書50-1_識鑒)
胡藩
いろんなところで無駄にカッコイイ活躍している武将です。彼についてどういう表現が相応しいのかなーって考えたところ出てきたのは「ガラの悪い
ちなみに羅企生に関するエピソードは世説新語にもあります。まさにこのエピソードと表裏一体。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054885199758
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