孟龍符3 劉裕の上表   

劉裕りゅうゆうの上表にいう。


「亡き龍驤りゅうじょう將軍、廣川こうせん太守の孟龍符もうりゅうふ

 彼の忠心とその勇武が、

 しんの国土奪回事業のさなかにて

 失われてしまいました。


 どうか彼の者をよろしくご顕彰下さい。

 彼の者は貞節をわきまえ、

 陛下よりの祝福を受け、

 追贈されたる地にて

 安らかに眠りましょう。


 孟龍符は桓玄かんげん打倒時に

 我らのもとに身を投じ、

 三つの戦場では常に先陣を切りました。


 その後、西に桓歆かんいんをくびり殺し、

 北では鮮卑せんぴを皆殺し。

 この戦功に対し、褒賞が

 検討されてこそいたものの、

 未だ施行はなされておりません。


 此度、南燕なんえん征伐に当たりましては、

 やはり先陣を切り、臨朐りんくの戰にては、

 その気炎が全軍を

 覆い尽くさんほどでした。


 そんな孟龍符に対し逆賊鮮卑は

 多勢の上、数多の矢を射かけ。

 しかし駿馬に乗る孟龍符は

 いかづちのごとく突入、敵陣深くにて

 死をも恐れず、戈を振るいました。


 孟龍符の武威を受けたクソ慕容超ぼようちょう

 烏合の衆とともに、臨朐に退散。


 こうして我々は勢いに乗り、

 はるばる広固こうこ城にまで

 攻め寄せられたのであります。


 その凄まじき功績、

 助け出すことができなかったこと、

 などを勘案し、

 どうか良き爵土にて、その武勲を

 お讃えくださいますよう」


子は無かったので、

孟龍符に与えられた爵土は

弟の孟仙客もうせんきゃくの子、孟微生もうびせいが継いだ。




表曰:「故龍驤將軍、廣川太守孟龍符,忠勇果毅,隕身王事,宜蒙甄表,以顯貞節,聖恩嘉悼,寵贈方州。龍符投袂義初,前驅效命,推鋒三捷,每為眾先。及西劋桓歆,北殄索虜,朝議爵賞,未及施行。會今北伐,復統前旅,臨朐之戰,氣冠三軍。于時逆徒寔繁,控弦掩澤,龍符匹馬電躍,所向摧靡,奪戈深入,知死弗吝。賊超奔遁,依險鳥聚,大軍因勢,方軌長驅。考其庸績,豫參濟不,竊謂宜班爵土,以褒勳烈。」無子,弟仙客以子微生嗣封。


(宋書47-9_傷逝)




なんかなにげに孟仙客の家系がおいしいとこかっさらってるように見えるのは気のせいですかね……?

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