第93話

「くっ数が多い護衛は何をしているの!?」



アナスタシアは階段で銀弾をヴァンパイアに向けて撃ち続けていた



「キリがないよアナ!!」



私は、体中に仕込んでいた銀製のナイフを投げつけていた


アナは振り返って窓の外を見るがヴァンパイアで埋め尽くされていた


「ここから飛び降りたら間違いなく餌にされるな」


そういったのもつかの間アナの持っていた銃から空撃ちの音がする


「…っち弾切れか」



「こっちももうナイフがない…どうしよう」



「ティナ…いいかい?よく聞いて、私が囮になる、お前はそこに隠れて式神を飛ばしてクロードを呼べ。」



「で、でも…いくらアナでも」



「さぁいけ!」




私は執務室の机の下に隠れて式神を飛ばした



「お願い早く来て」


「鬼の神たちよ我が願いにこたえたまえ…蹴散らせ鬼神!」


黒いオーラが放たれ、アナスタシアは知らない鬼に変わり果てていた



「ごめんね…ティナ。私の分まで生きなさい」

そう聞いたが最後完全に理性を失い目の前のヴァンパイアに突っ込んでいった


気づけば惨状が広がっていた。敵味方の区別もなく死体が転がっている現状にすごく吐き気をもようしたのを覚えている


「ア…ナっ?」



私はアナを探した


「アナっ!」


私は首を掴まれたアナスタシアを見つけ駆け寄った

「がぁっまさか…お前が裏切っていたと…はぁ」





「ふんっ。造作もない…ん?まだいたのか?その女の仲間か?」



「許さない…。お前たちを…私は…絶対逃がさない」




「お前が誰なのかは知らん。この女もな。」

逃げようとする男の影をとらえていた


「くっ!?なんだこの力は…影が縛られている!?」



「絶対に逃がさないといった。殺す。殺す!!」


「待て待て!俺はただ雇われていた…だけぇ」



言葉を最後まで言わせず喉元を抉った私はその男に見向きもせずアナスタシアに駆け寄った

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