第90話
「クロード=オスカーとソマリ=オスカーよ二人は年子でソマリが兄よ。今日は二人にティナと主従契約を結んでもらうわ」
「えっ!?勝手に決めちゃっていいの?アナ」
「別に構いませんよ。ティナ様。我々は、貴女を守る盾としてここに存在しているのだから」
「…ティナ。血を彼らに与えなさい」
「…はいっ」
私は自分の手のひらにナイフで傷をつけ血を与えた
「これでよいのですか?」
「えぇ。ソマリ。クロード。彼女を頼みますよ」
「承知しております」
私達は主従関係はあれど幼馴染のように育ち
「ティナ、この子がレオン=シルビア。貴女の婚約者よ。性格は悪くないから仲良くしてあげなさい」
レオンはどこか私に似ているような気がすると思っていた
「よろしくね。ティナ様」
だがそれも数年の事だった
私が16歳の時レオンは急死した
「え?レオンが死んだ?どうして?」
「病気だったそうよ。突然心臓が止まったって言ってたから…」
恐らく、私と同じで体が弱かったのかもしれない
「そ…んな」
「大丈夫。私がいるわ。私があなたを絶対に独りにはしないから」
その日の夜私は寝込んでしまった
「また倒れたんですか?」
「えぇ、さすが愛人の子ですわ」
「本当にね」
うるさい…うるさい…
私は好きで愛人の子で生まれたわけじゃない
「うるさい雑音だな、病人がいるのがわからない?」
「アナスタシア様っ!?も、申し訳ありません」
「消される前にここを出ていけ、二度とこの城に出入りすることを禁ずる」
「は、はいっ」
「あら、起こしたかしら?ティナ」
「どうしてアナは私に優しくしてくれるの?私は愛人の子なのに、親すら私を望まなかった。私なんて生まれてくるべきじゃなかったのに」
「聞きなさい。ティナ。貴女も好きであんな親を持ったわけじゃないけれど私達は親を選べない」
「でもっ!私があの時気づいて相談しなければアナがアナのお父さんを殺さずに済んで」
「いいえ、遅かれ早かれ気付くわ。だって2人しかいない
「私も、アナが私のお姉ちゃんで嬉しい!」
「だから、もう貴女をひとりにはしないわ。ティナ」
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