第9話
「ここから王宮に向かおうと思うんだがその前にその恰好をどうにかしないとな」
連れ去られたときに乱暴に扱われたのか服はボロボロになっていた
「そうですね」
「ミモザ、この子に合う服を」
「はい、ユノ王子」
「女王様、いえアナ様御召し物はどれになさいますか?」
3種類のドレスから選んだのは水色の肩のあいたドレスだった
「これでお願いしますね」
「かしこまりました」
数分後、女王だといわれても納得しそうなくらいまともになった
「支度は終わったか?」
「はい、ユノ王子」
彼にエスコートされながら馬車にはいる
「馬車を出せ」
「大丈夫か?今は俺達だけだ演技はしなくていいんだぞ」
「いえ…ご心配はありません。」
「城まではゆっくりできる。休んでてもいいんだ」
「…少しお話をよろしいですか?」
「あぁ…なんだ?」
「もしも…鬼の国が攻めてきてもあなた方は戦えますか?」
「何を馬鹿なことをそうならないための婚約だろう」
婚約の真意を彼は知らない
「それは表向きはそうでも裏では何を考えているかわからない女王です。もし私が国の裏切り者で女王がそれを刺客として誰かを送り込まれたらどうするおつもりですか?」
「そうなれば交渉決裂だ。和平は結ばないし、交易も止めるだが今後何があろうともお前も守るそれだけは決めていたことだ」
「どうして…」
「形はどうであれお前が婚約者だからだ」
「…それだけの理由で?」
「あぁ」
「馬鹿ですわ」
「えぇユノ王子は馬鹿ですがそれが皆から慕われているのでしょう」
「馬鹿は失礼だぞイアン」
「それもまた王の器か…権威を振りかざし、身内の不始末さえ許さなかった女王とはまた別の素質…」
「だから、心配はするなよ。女王の命令であってもお前を国へ引き渡したりしない」
「もし女王が貴方を裏切るようなことがあればこの剣で女王を殺しなさい」
そういうと銀でできた剣をユノに見せた
「お前こんなものどこにあった」
「私は呪術師、体の至る所に剣をしまうこともできます」
「銀製の剣…吸血鬼に有効な剣だが何故…」
「ヴァンパイアも鬼も、銀の剣だけは回復阻害される」
「どうして仲間を売るような話を」
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