クールジャパン


なあ

おれがいつまでも

にこにこと

微笑んでいるままだとでも

思っているのか?

殺すぞ?

ふふふ

嘘だよ

おれはいつでもにこにこと微笑んでいるよ

微笑んだままだよ

殺すぞ?

にこにこと微笑みながらお前の身体を引きちぎってやろうか?

なあ

もう一回、言おうか?

殺すぞ?

そして滑り台の下で惨殺された死体がお前だ

寝っ転がったそいつに蹴りでもいれてやろうか?

まるで何とかリーガーにでもなった気分で

思いっきり死体を蹴り上げるのだ

まあ何とかリーガーなんてクソの集団だが

おれは常々そう思っているんだ

今度の首相には是非「何とかリーガーなんて屑以下」

との失言を残して辞任してほしい

そうなったらおれはたった一人になってもその首相を応援するだろう

「首相は何も悪くねえ! ただ不器用なだけだ!」

再就職先を汗水垂らして一緒に探してあげるだろう

「なあ………元首相、お前って一体、何が出来るの?」

「おれ? なんにもできねえよ、イワシ食いてえ」

どうしてこんな奴が一秒たりとも我が国の首相でありえたのかが不思議だった

「昼飯の前にまずは再就職だろ? 首相だったのにな………パソコンとかどうよ?」

「パソ……」

「ん? まさかパソコンを知らないなんてことはないよな、さすがにそれじゃあおれの手には負えないぞ」

「すまない………パソコンってなんのことだね?」

「ちょっとお前そこ座れ」

「はい」

「いいか、首相なんて言ったって今じゃあただの熟ニートなんだから」

「はい」

「パソコンってのはな、略だよ、正式名称が他にちゃんとある」

元首相はそこまで聞いて跳び上がるようにして答えた

「はいはい! パーソナルコンビーフ!」

「そうだねパーソナルコンビーフ…………ってなんでやねん!」

猛烈な寒気が日本列島を襲った

大寒波だ

だがそれは皮肉にもこの星の温暖化を食い止め二人は表彰されることとなった


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