時計の針を砕いて


そこにわたしはいなかった

わたしの声はけして響かなかった

放課後はいつも廊下で死んだふりをしていた

誰もいない学校をようやく好きになれた

一人ぼっちが寂しいとは思わなかった

みんなといる時にすごく孤独を感じた

耳たぶがぺたりと廊下に張り付きひんやりした

明日は進路相談の日だった

まあわたしには関係無いけど

大抵の物事は自分とは関係無かった

(なるべく早く終われ………)

それ以外の感想が無かった


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