第45話持つべきものは友達だ!


朝になり学校の支度をしながら今日することを確認していく。

まずは情報収集だ

どうやって『桜井暖人』の行動を知るか

今わかっている事は今週の休みに他校の生徒

と遊びにいくこと、これだけだ。

これが俺が少女漫画でいうところの主人公の

友達ポジションにいるなら簡単に情報を

知る事になるんだけど

俺はモブである

しかも今の俺のポジションは

ちょっと仲のいいクラスメイトって所だろう

ここで俺が変に『桜井暖人』に近付いたら

違和感しかない。

仲良くするのもダメ、かといって関わらないのもダメ

はぁー人生、上手くいきませんなー

そこでふと思ったがこの世界はどっちなんだ

俺と足立さんが他にもいるかも知れないが

少女漫画の世界に入りこんでるのか

それとも今の世界が少女漫画になったのか

似ているようで全く違う

前者なら元の世界に帰れる可能性が少なくともあると思う。

後者なら世界そのものを元に戻さないといけない

どちらにしても無理ゲーすぎる

まぁ今は目先の事を考えてそれを無事に

乗り切ったら足立さんと話をしてみよう。

はぁーと二度目のため息を吐きながら

学校へと足を進めた。

そういえば昨日感じた違和感はなんだったんだろう?


そしていざ学校へ到着

何時通り教室に向かい席に座る

そして何時ものメンツとたわいもない話をしているとき俺はその違和感に気づいてしまった。

一人の友人の名前を呼ぼうとしたとき

あれ?コイツの名前なんだっけ?

おかしい顔や性格などは覚えているのに

何故か名前だけが浮かばなかった。

度忘れしたのかと一瞬思ったがコイツとは

中学からの付き合いだ

流石に忘れる事はないだろう。

確かに最近色々あって友達と遊ばなくなったりご飯を食べたりとしていなかったが

それだけで人の名前を忘れるって

まるで消える寸前みたいじゃないか

なんでだコイツと『桜井暖人』には接点は

ないはずだ。

いや、落ち着け俺こういうときこそ冷静に

まだ消えると決まった訳ではない。

まだ俺達の知らない所で何かが起きているのかも知れない

それはそれで勘弁してもらいたいが

だが何かしらに関わっていると見ていいだろう

でもなんでこのタイミング?

何か意味があるのか?

今考えなくてはならないのは他校の生徒の

情報だ


んっ!?

まさか!


「なぁお前って○○高校に知り合いはいるか?」


俺は名前を忘れた友達に聞いてみた


「へっ?なんだよ急に喋んなくなったと思ったら」


「いいから!いるのか?」


「まぁいるよ」

「それがどうかしたのか?」


ビンゴ!

ここだ、ここで繋がりが出来た!


「あーそういえば○○高校の女友達が言ってたけど今度の土曜日に○○で『桜井暖人』と遊ぶって言ってたな」


マジか!

いま欲しい情報を知ることができたぜ!


「それにしてもモテる男は羨ましいねぇ」


それには大いに賛同するぜ


「そっか!マジでありがとう!!」


「お、おうお役に立てたならいいけど」


なんか引かれた気がするがこれで少しは

活路が見えてきたぜ

お前が結婚して結婚式をあげたら友人代表で

スピーチしてやるよ!

結婚出来たならな


後は時間だな

このままコイツに聞くのもありだが

これ以上は余り踏み込まない方がいいだろう

まぁ場所が分かったんなら皆が集まる前に

そこに居て後はバレない様についていくしかないか

なんだか危ない感じもするが

この際気にしない

よし!後は足立さんにメールで連絡して

細かい事を決めるか!


なんだかここ最近で俺のメンタルが強化されていっている気がする

でもなんだろう

まだ何か見落としている様な?





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