第82話 地獄の門

 ども。

 新巻へもんです。


 今日は真面目なお話です。そろそろスーパーに頭のいい誰かが現代社会の複雑な問題を解決してくれるって期待するのはやめた方がいいんじゃないかと考えています。と、いいますのも、それを期待し続けると、政治家が改革とか規制緩和とか縦割り解消とか耳障りがいい言葉を約束しなきゃいけなくなるんですよね。


 色々と既存の秩序とかが壊れた終戦から70年以上が経過して、世の中の枠組みがかっちり出来上がってしまっているのが現在の日本です。そんな社会で改革とか規制緩和が簡単にできるわけが無いんです。だって、みんな誰かしらと義理人情利害でつながっちゃってるんですから。


 だいたい規制は何かしらの理由があって定められてます。極端な例ですけど、医者しか診断・治療できないというのも規制です。運転免許を持ってないと車に乗っちゃいけないのも規制。労働者を勝手に解雇してはいけないというのもそうですよね。結局、緩和すると儲かる人がいるからそういう議論になるわけで、規制緩和っていうほどクリーンじゃないんですよ。


 それと良く批判される縦割りですけど、あれって、ほとんどの場合はその方が効率がいいからそうしてるんですけどね。ゴールキーパーが敵陣まで攻め込んでシュートしないのはおかしいとは言わないですよね。仕事が高度に分化されているので担当外のことなんて素人で当たり前。それをお互いにカバーしあいましょうって非効率すぎます。


 そして、目安箱。もうね、地獄の門をあえて開けますか? って感じです。私も経験あるんですよ。社長に直接意見できる制度が実施されたことが。結局現場を知らない素人が、勝手なことを言うだけになるんです。どうせ原価は大したことが無いのだから、セットのコーヒーのお替りを無料にしたら顧客満足度が向上するはずだ。採用した結果、滅茶苦茶回転率下がりましたよ。本当にどうもありがとうございました。


 自分は良いことを思いついたと思ってるバカも困りものですが、関連部署どうしの悪口合戦も発生するんですよね。配送部門の都合通りにルートを組むために○○店の発注担当は融通が利かないとか言い出すわけです。そりゃ、お客さんで混んでる12時15分に納品されたら厨房回らないですわ。あほか。


 でね、貴重なご意見なので、現場は逆らえない。今月は5件の改善提案を実行して業務が効率化されました、とか月報で書くために、何が何でも実施します。そして、エリート部隊の改革担当部署だけが仕事している気分になっているという。で、3か月後の営業報告で前より数字が下がって全責任は現場のせいになるんです。改革に協力する気がないってね。現場の士気はだだ下がり。


 まあ、うちの会社がダメなだけかもしれませんけど。組織ってどこも大きくは変わらないと思うんですよね。霞が関はどうなんでしょう?


 最後に近況っぽいものを。「酔っぱ買い」をフォローしてくださっている方が千名を超えました。☆が490、累計7.7万PVです。感謝とともに今後も伸びていって欲しいと思ってます。


 ではでは。

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