61話 準備万端

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ウルフシュタットとダミアンは治療が終わるとその日は村で休み、

翌日の朝には村を離れた。

一晩村に滞在したのは軍医の勧めでダミアンの腕の治療のため安静にしておく必要があったためだ。


ダミアンは去り際にラインハルトに再戦を誓った。

ラインハルトは呆れてため息をついたが、まずはダミアンに必要なことは、

実戦経験を重ねて型から抜け出すことだとアドバイスを与えた。


ウルフシュタットは義清に次に会うのは恐らく戦場だろうと伝えると義清は




「貴殿を信用するわけではないが、ヴォルクス家のことを思うなら

 我らへの最初の攻撃は他家に任せることを強く勧める」




この返答にウルフシュタットは苦笑して少なくともウルフシュタットの家はそうしたいと答えた。

続いて祖父はそうもいかないかも知れないと悲しそうに答えた。

ラビンス王国への忠誠心が強い祖父ローゼンは王国から命令されれば攻撃の先頭に立つことになるだろう。

それに対して義清は忠告する。



「周りに止める者がいるかどうかだけでも雲泥の差がある。

 貴殿の話を聞く限り御祖父殿は頭がきれる様子。

 まして身内で共に戦場に立った経験があるならば、貴殿の言を無下にはすまい。

 なにより‥‥御命にかかわることと、ゆめゆめ忘れぬように」



最後の一言は凄みのあるものだった。

いざとなった時に死ぬのはヴォルクス家、殺すのは義清たちということが言葉の外にはっきりと現れていた。

これを聞いたウルフシュタットは最善を尽くすと答えたが、

義清たちモンスターが自分たち人間とは何か根本から違う気がした。




二人は朝食をご馳走になったあと村を去って行った。




「弟さんの方は頭に薬が必要な感じでしたね」


馬に乗って部下を引き連れ村をあとにするウルフシュタット一行を見送りながら、

ベアトリスが本音をこぼした。


ゼノビアがそれに答える。


「全てが善意からくる行動なのが始末が悪いね。

 本人が間違いどろころが、正しいことをしてる気になってる。

 正義が絶対勝つって信じてそうなヤツだったね。

 ラインハルトに腕を斬り飛ばされて少しは考えが変わるといいがね」


エカテリーナが会話に加わる。


「無理でしょうねえ。

 部下の質も兄の黒色鎧の騎士たちとは天と地の差がありましたわ。

 見た目などそっちのけで機能性重視の実戦派の兄、

 見た目は華やかそのものですけど戦には素人同然弟。

 正直ダミアンの部下になる人には同情しますわ。

 戦場ではすぐに死にそうですし、

 その死も意味がある死とは程遠いところにありそうですもの」


しかし、義清は違う意見のようだ。


「しかしまあ、ああいうウルフシュタットのような有能な者の下には

 ダミアンのような者がいる方がいいのかもしれん。

 でこぼこコンビというやつかな。

 ダミアンに足りないのは実戦経験もそうだが、

兄の言うことを聞く素直さだな」




ここで義清は話は変わるがとラインハルトの方に向き直る。




「ラインハルトよ、二人がいるので言えなんだが、見事な剣撃だったぞ。

 刃渡りが大きい野太刀であそこまで細かく正確に相手の手を落とすとは見事よ。

 切り口も綺麗だったし、それゆえに軍医も接合しやすかったと言っていた。

 また腕を上げたな」




ラインハルトは照れて顔を赤くし後頭を掻きながら、

実は怒りに任せてダミアンの胴体を真っ二つにする寸前に思いとどまって手を斬ったと明かした。

義清は結果良ければ全て良しよと言うと、みんながラインハルトを褒めた。


ひとしきり場が和んだあとに義清が言う




「さて、少し日が空いたがそろそろ北進のときよの」



エカテリーナがその言葉に答える。




「準備は抜かり無く整っておりますわ。

 昨日の内に城に使いを出して物資の補給は済ませております」


ゼノビアが続く。


「ヴェアヴォルフ族とボア族も出発の準備整っています。

 いつでも命令一下、御出陣できます」


ラインハルトは鼻息を荒くして言う。


「次は山賊退治とはワケが違いますからな。

 腐っても貴族相手の戦。正規兵もおりましょう。腕がなりますな」


ビアトリスが最後に言った。


「ヴァジムさんも1日だけとはいえ首を長くして待ってますよ。

 ずっと山賊退治はいつ終わっていつ村を出発するのかせっついてましたしね」



義清がまだ見ぬ北の地に視線を向けて言う。




「では、参るとするかな。

 いざ、北の大砂漠へ!!」

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次回更新予定日 2020/3/1


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