第9話 彼とのキスは蕩けちゃう

「私も、愛してるよ」

そう答えると彼は満足そうな笑みを浮かべ、再び唇を重ね合わせてきました。

暫くの間、お互いに求め合うような激しい行為が続きましたが、

さすがにこれ以上はまずいと思い、私が彼の胸を軽く叩くとようやく解放してくれました。

「朋絵、大丈夫か?」

心配そうな表情を見せる彼に対して私は笑顔で返すことにしました。

少し休憩した後、私達は再び歩き出します。

しばらくすると目的地のスーパーに到着しましたので店内に入ると商品を見て回ります。

今日は何か料理を作る予定なので必要な食材を選んでいると、

彼が私に声をかけてきましたので振り向くと目の前に紙袋を差し出して来ましたので受け取ると、

中には色々な種類のパンが入っていました。

どうやら昼食の材料を買って来てくれたらしいです。

お礼を伝えると彼は照れたような表情を見せながらも嬉しそうでした。

その後レジで精算を済ませた後、紙袋を抱えて車へと戻り帰宅することに致しました。

「なんだか、こうやって二人で出かけるのも久々な感じがして嬉しいな」

私が笑顔で伝えると彼も笑顔で返してくれた。

家に帰り着くまでの間、他愛もない話をしたり、

窓の外の風景を眺めたりと様々なことを話したけど、

その全てが私にとっては大切な思い出になることでしょう。

自宅に帰るとまずは買ってきた食材を冷蔵庫に仕舞う作業を行います。

その後に昼食の準備に取り掛かるのですが、その前に着替えを済ませなければなりませんので自室へ向かいました。

下着姿になりクローゼットから洋服を選んでいると、ふと鏡に映った自分の姿に目が止まりました。

(ああ、なんて美しいんだろう)

そう思うと自然と笑みが溢れてしまいましたが、それも仕方のないことだと思いました。

何故なら今の私は拓哉の妻として相応しい身体つきになっており、男好きする体型となっているからです。

特に胸の大きさには自信がありましたし、ウエストやヒップにもしっかりと脂肪がついていて

全体的に丸みを帯びているのですけれども、それがまた何とも言えない色気を出していると思うのです。

「今日は、折角だから気合いを入れて勝負下着でも着てみようかしら」

そう決めた私は、クローゼットの奥に隠しておいた、

少しセクシーなデザインのものを選んで着用する事にしました。

それから、軽い化粧を済ませてからリビングへ向かうと既に準備が整っていたみたいでした。

昼食は彼が作ってくれたのでとても美味しかったですし、

食後のデザートまで用意してくれて至れり尽くせりという感じです。

食後はソファーに座りながらテレビを見るのですが、

時々手が触れ合ったりしてドキドキする場面もありましたけど、彼との時間は幸せそのものでした。

そして、夕食後にお風呂へ入ることになったのですけれども……、

何故か今回は一緒に入ることになりまして、

非常に緊張しておりますが嬉しいという気持ちが大きいのも事実であります。

「背中流してくれないか?」

と、いう彼の言葉に対して私は笑顔で答えると、彼の背中を洗い始めました。

丁寧に洗っていきますが、時折手が滑って彼の素肌に触れるたびに変な声が出てしまいそうになります。

(いけません!)

平常心を心掛けて何とか乗り切りましたが、彼もまた緊張しているような気配を感じたので、

お互いに意識している感じがしましたけど、それが余計にドキドキしてしまい、

このまま時間が止まればいいと思ってしまう程です。

その後はお互いの髪を乾かし合った後、一緒にベッドへと向かうことになりました。

(いよいよだ!)

そう思うと緊張のあまり心臓の鼓動が激しくなりつつあったのですが、

彼が優しく抱きしめてくれた事で落ち着きを取り戻していきましたので思い切って私から唇を重ねたんです。

最初は軽く触れるだけのキスでしたが、徐々に舌を絡ませていくうちに

どんどん深いものへと変化していき気がつけばお互いを求め合っていました。

そして暫くの間キスを交わし合い続けていましたが、

一度唇を離すと今度は彼からキスをしてくれましたので、それに応える形で私もお返しをさせてもらいました。

「朋絵、愛しているよ」

彼はそう言って、私の身体を抱きしめてくれます。

私は、それに答えるように強く抱きしめ返すと、

お互いに見つめ合った後、再び口付けを交わしました。

(ああ、幸せだな)

そう思いながら彼の優しさに包まれていると次第に意識が遠のいていく感覚に襲われてしまいましたが、

そんな事はどうでもよくて今はただこの幸せな時間をずっと過ごしていたいと思っている自分がいます。

そして暫くの間抱き合ったまま余韻に浸っていたのですが、不意に彼が口を開いたのです。

「そろそろ寝ようか?」

と言う彼の言葉に対して私は小さく頷きます。

それから寝室へと向かうとベッドへと入り横になったのですが、

私が身を寄せると彼もそれに応えるかのように腕枕をしてくれましたので密着する形になりましたけども、

特に気恥ずかしさはありませんでしたし、寧ろ安心感に包まれましたのですぐに眠りについてしまいました。

朝起きて朝食の準備をした後、拓哉と共に食卓を囲んでいると昨夜の事を思い出してしまい顔が熱くなってきました。

「どうかしたのか、朋絵?」

心配そうに私の顔を覗き込む彼に慌てて否定の言葉を述べました。

その後、支度を済ませて玄関を出ようとした時、不意に抱きしめられた私は驚きの声を上げましたが、

すぐに優しいキスをされてしまいましたので、心が満たされていく感覚と共に幸せな気持ちになっていきました。

それから暫くの間抱き合っていましたが、やがて彼が離れて行った後、私に向かって微笑みながらこう言ってくれたのです。

「行ってきます」

その言葉を聞いた瞬間、涙が出そうになるのを必死で堪えながら私も言葉を返しました。

「行ってらっしゃい!」

そう言って送り出した後、リビングに戻ると一人になった寂しさと喪失感に苛まれてしまったのですが、

(大丈夫! 私には拓哉がいる)

そう自分に言い聞かせながらも心の中では不安が渦巻いていたんですけれども、

何とか気持ちを切り替えてから家事をこなしてい行くうちに幾分か落ち着いてきたところで

昼食の準備に取り掛かる事にしたのですが、そこで問題が発生しました。

それは食材が不足している事に気づいたからです。

このままだと夕食の準備に支障が出てしまいますし、

何よりせっかく楽しみにしてくれている彼の期待を裏切ることになるかもしれませんので、

私は急いでスーパーへと向かう事に致しました。

無事に買い物を終えた私は、帰宅した後すぐに準備に取り掛かりました。

(今日のメニューはお鍋にしよう)

そう決めた私は早速調理を開始していきますが、途中で尿意を覚えた為、トイレに向かう事になりました。

そして用を足した後、ふと鏡に映った自分の姿が目に入ったのですが、

その時に自分が身に着けている下着に目が留まり思わず溜息を漏らしてしまいました。

それは私が密かに気に入っているランジェリーだったからですけれども、

それを贈ってくれた彼への愛情と感謝の気持ちが込み上げてくると同時に、

激しい情欲も湧き上がってくる感じを覚えます。

「あ、いけない!」

私は慌ててトイレから駆け出すと、急いで支度を整えてから料理の続きを行う事に致しました。

鍋は煮込む時間が必要ですので、その間にお風呂の準備をしておきますが、

どうしても拓哉の姿が頭から離れず悶々とした気持ちになってしまいます。

その事で頭が一杯になっていましたけれども、

何とか冷静になるように努めつつ入浴を済ませた頃には既に夕方になっておりましたので夕食の支度に取り掛かりました。

そして完成した料理を食卓に並べ終えた頃、ちょうど玄関の方から鍵を開ける音が聞こえてきましたので出迎えると、

そこには嬉しそうに微笑む彼の姿がありましたので私もつられて笑みが溢れてしまいました。

「お帰りなさい、あなた」

そう言って出迎えた私に対して彼は優しく抱きしめてくれると、唇を重ねてくれます。

お互いの舌が絡み合い、濃厚なキスをしていきますが、

私も負けじと彼の口内へ侵入していき唾液を流し込んでいきました。

そしてお互いに求め合うように激しく接吻を交わし合った後、

最後にもう一度だけ軽くキスをする事で終わりを告げました。

その後は夕食を楽しんだ後で一緒に入浴する事になったのですが、

その際にはお互いに洗いっこなどをしてより親密な関係を築いていくことが

できましたので非常に充実した時間を過ごせたように思いますし、これからの生活を考えると期待に胸が膨らみます。

「拓哉、そのね、キスして!」

「えっ、急にどうしたんだ?」

私が唐突におねだりしたので、彼は驚いたような表情を見せましたが、

すぐに優しい笑みを浮かべてくれてからキスをしてくれました。

唇が触れるだけの軽いものだったのですが、それだけでも十分過ぎる程に幸せな気分になります。

「もっとして欲しいなぁ」

甘えた声で伝えると、今度はたっぷりと深いキスで応えてくれましたのでこちらも負けじと舌を絡めますと、

彼もそれに応えるように激しく求めてくれましたので嬉しくなりました。

その後はお互いに抱き合いながら、何度も口付けを交わし合い愛し合っていくのです。

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