異世界ひとくい物語

作者 荷葉詩織

理不尽の極み、物語の凄み

  • ★★★ Excellent!!!

 やはり荷葉詩織、余すところなく『絶望』を振りまいていく。
 
 物語というのは、結局のところ『作者』の描いた世界です。そして、場合によってはとんでもない『理不尽』を描くことになる。
 無惨に死んでいく人々。自分ではどうにもならない『呪いのような枷』。
 そして、在りし日の戻らない、何でもない日常。

 この物語を構成する要素は数あれど、『理不尽』を大きく描いていることには間違いありません。
 異世界、まったくの異世界を描いているものの、描かれる感情は私たちの現実でも起こり得るありふれたものばかり。親近感。共感。そのような心を持たずにはいられません。
 度し難くも、抗う人物たちのその強さ。儚くも手を伸ばせない人物たちの弱さ。

 そういうものが、すべて詰め込まれると、このような作品になるのでしょう。
 一見、ひどすぎるお話かもしれません。でも、よく読んでみてください。
 人間が持つ痛み、心に宿る動きがそのまま、そのままに映し出される凄みが感じ取れるはずです。

 さあ、物語を始めましょう。飛び込んで、ありのままに感じて……。


 とはいったものの、やはり度し難すぎるぞ、荷葉詩織。結局はテメーの性癖ぶちまけただけじゃねぇかッ!?

 作者の思いがいろんな意味で『詰まっている』小説です。どうぞ。

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