モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる！

◇048◇ヒミツのポケット

　僕は、部屋に戻って来てペンを見つめては溜息をついていた。

　あぁ、2万Ｚもあれば、僕に扱えた武器、防具が何か買えたかもしれない。いや、買わなくともお金に余裕があれば、気分的に違うから気にせずに毎日過ごせたかもしれないのに！

　流されて買ってしまった！

　よし！　これは無くせないからこれ専用の入れ物を作ろう！

　僕は、気持ちを切り替えた。

　地図と一緒の方がいいよね？

　地図は、ギルドについた時に買った。なので22,500Ｚが200Ｚしか残ってない！

　このペンを持っているのは、ばれてはいけない！

　エジンもリゼタも持っていないだろうから見つかれば使いたがる！

　僕は、鞄の中にポケットを付ける事にした。

　地図は折りたたむと、15センチ×7センチぐらいになるので、それが入る大きさのポケットを作る。そのポケットの内側に斜めにペンを入れるポケットを設置する。

　ペンは、縦に入る様に作り、入り口をゴムにすれば、容易に出て来ない。

　ポケットと言っても、鞄に縫い付けるのではなく、別に作ってボタンで引っ掛ける事にした。そうすれば、違う鞄で持ち歩く時に便利だ。

　ボタンは、このポケットの方に付けるので、鞄の内側には引っ掛ける紐を縫うだけ。だから作業は楽だ。

　裏地はつけないので、巾着の様に表を中にして端を縫うだけ。今回はその前に、表にボタンを内側になる裏にペンを入れる袋を縫い付ける。

　ボタンは、至って簡単だ。長い方を縦にするので、あまり大きくないボタンを二つ縫い付ける。

　次にペンを入れる袋を作成。

　これも巾着の要領で縫う。表を中にして、両端を縫う前にゴムを通す穴を先に作ってゴムを通す。両端を縫った時に、ゴムも一緒に留める様に縫えばＯＫ。ちょっと雑だが使うのは自分だから問題ない。

　それをポケットに四つ角を留める様に、斜めに縫い付けるだけ。

　後はポケットの両端を縫い、見た目を良くするために、入り口の部分を裏に折って縫う。裏返せば地図用ポケットの出来上がり！

　出来上がったポケットに、地図を入れペンを入れてみる。そして逆さにしてみるも地図もペンもおちて来ない！

　うん。上出来だ！

　「ただいま！」

　イラーノさんが帰って来て、慌ててポケットを鞄に突っ込んだ！

　「お帰り。仕事だったの？」

　「うん。まあ。リゼタさん達が来てるよ」

　「そう。ありがとう」

　うーん。どうしよう。鞄にひもをつける前にイラーノさんが帰ってきちゃった。

　今日も来たのか……。

　仕方がない。応急的に糸をつけて、ボタンを引っ掛けよう。

　僕は、ささっと鞄の内側に糸を縫い付けた。そして、こっそりとポケットを引掛けて鞄を閉じた。

　部屋の扉を開けると、遅いとむくれたリゼタとムッとしたエジンが立っていた。なんで僕が文句を言われなくちゃいけないんだ！