第47話:あぁ、神様・・・・・・。



「あっ・・・・・・改めまして、里上愛那です。よろしく、お願いします。・・・・・・ライツ様?」

 黒髪の少女がこちらを見つめながらそう言った。

(あぁ、神様・・・・・・。ありがとうございます)

 ライツが神に感謝の言葉を捧げる。

(探し続けた俺の運命の恋人が・・・・・・超絶に可愛過ぎるッ!)

 歯を食いしばり、叫びたい衝動に耐えながら、ライツは溢れ出る感情に翻弄されていた。

(何故? 何で衝立からぴょっこり顔だけ出しているんだマナ!? 可愛いな! ああ、もう、俺の運命が本当にかわいい。マナは普通だと主張していたが、確かに美人ではない。美人ではなく可愛いだろうこれは! 大きな瞳をゆらしながら、不安そうに、恥ずかしそうにこちらを見ているその表情。あぁ、もう! ただただかわいい。しかも、このタイミングで初めてマナが俺の名を呼んでくれた。「ライツ様?」って何だ? 何で疑問系なんだ? マナは俺をどうしたいんだ? ああ、愛しい。これが愛しいということか。レディルと同じで、やはり俺にも一人の女性のみを愛し続けたという、初代国王の血が流れていたんだな・・・・・・)

「あ、あの・・・・・・」

 愛那の声にハッとライツが我に返る。

(しまった! 表情を固まらせ、黙ったままで・・・・・・。また、マナを不安にさせてしまっただろうか?)

 ライツは慌ててツカツカと愛那の方へと歩み寄る。

 手を伸ばせば触れられるところで立ち止まると、おどおどしている愛那がライツを見上げた。

「マナ」

 見つめ合う視線。

 ライツが愛那に微笑んで見せる。

「マナ」

 もう一度名を呼んだ。

「・・・・・・はい」

 愛那はそう答えて、おずおずと衝立からその姿を現した。

(ああ・・・・・・)

「すごく、可愛い」

 そう言って、ライツは手を伸ばし、愛那の頭を優しく撫でた。



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