マジ万策尽きたって感じ~

さ~、いよいよ夏休みの終盤だ~。


で、最大の怨敵、<自由課題>戦が来た~!


さっさと宿題片付ける私だけど、こいつだけは苦手だ。ゲームの戦績のレポートでもOKってなったら余裕だけど、そうじゃないからね~。


植物の観察? ムリ、三日と続かない。


アリの観察? 同上。


昆虫標本作り? どこにそんなに昆虫いるんだよ。セミなんてクマゼミしかいないよ。泣き声だけならヒグラシとかもいるみたいだけど、姿なんて見たことないよ。伝説上の生き物じゃないの? それともいっそGでも捕まえるの? 絶対NGだかんね!?


なんて悶々としてるうちに時間だけが過ぎちゃった。


「美智果~、何か思いついたか~?」


「ぜんぜん~、ムリ~。マジ万策尽きたって感じ~」


パパに訊かれてもこれ。それが平常運転よ。


で、仕方ないからパパと一緒に大きなスーパーに行って、結局は<夏休み工作キット>のお世話になることに。正直、クラスの三分の二ほどの子がこれだからね~。たまに、うちわを使って手動の扇風機とか作ってくる子いるけど、すげ~って思う。


そんなこんなで、太陽電池で動くミニ扇風機にした。それに可愛く自分でデコレートするってことでお茶を濁す感じ?


こんなだから、私、ぜんぜん立派な<良い子>じゃないんだよね~。得意なことは集中できるけど、そうじゃないのはてんでダメ。手ぇ抜きまくりのサボりまくり。パパと同じ。


そりゃそうよ。私はパパの娘なんだから。


パパが苦手なことは手ぇ抜きまくりのサボりまくりなのに私には全部ちゃんとしろとか言われたら、はっきり言ってキレちゃうよ? グレるよ? 家出しちゃうよ?


だけどパパはそんなこと言ってこないから大丈夫なんだ。


「自分が手を抜いたことで残念な結果になってもそれを受け入れる覚悟は必要だけどな」


とは言うけどさ。


だよね~。努力もしないで結果だけいいのを求めようなんて、ふざけすぎだよね~。


だけどさ、パパの場合は、私のことをちゃんと見てくれてるっていうすっごい努力をしてくれてるんだ。仕事してても私がどうしても寂しくなっちゃった時とか甘えたくなっちゃった時には話を聞いてくれるんだ。


それってすっごい努力なんじゃないかな。だって、よっしーとかマリーとか言ってるよ。


「うちの親は話とか聞いてくれない」


ってさ。『忙しい』とか何とか、自分はただテレビ見てるだけなのに、『あ~、ヒマ』とか言ってたのに、それで話し掛けたら『今忙しい』とか言って聞こうともしないんだって。


親がそんな態度だったら、子供だって親と話とかするのバカバカしくなるよね~。


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