第43話すみれ8

 へえ!かえで凄いんだな。ブログの端の本は広告だと思っていたがかえでが出した漫画本だ。楓ではなくかえでで出している。もう3冊も出している。それに比べ私の小説は・・・。

「3時に通天閣の前に来れるか?」

 平さんに言われた。原付は1台しかないから自転車でこいでいく。私の集金の地域から30分ほどかかる。

「付いてこいや」

と私を見つけると原付をゆっくり押して路地に入ってゆく。通用口から階段を登ってノックをすると扉があく。中には大柄の70歳くらいの男が座っている。

「会長や」

「君が代わりの?」

「会長はここで5店舗串カツやをしている」

「集金を?」

「いや。会長がしている頼母子の手伝いや」

「頼母子?」

「会長は沖縄の出で私の先輩や。詳しいことはゆっくり教えるわ」

 私はそこで別れると銀行に戻って両替を運び銀行を出たのは8時半だ。すでに平さんの席は片づけられている。9時半にはおかんの暖簾をくぐる。私の席にかえでが座っている。

「姉さんの友達よ」

 おかんに言われて横に掛ける。

「どうした?」

「3時から9時に変えてもらった。でも顔見せはするわ。毎日ひろし君に会いたいから」

 かえでが私の腕を掴んでいる。おかんは吃驚して目をそらせる。


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