第33話再会の時8
初めての給料をもらった。それで昼おかんの店で家賃を払う。それから薄化粧をして阿倍野のデパートに出て目星をつけていた服と下着を買う。戻って風呂に入って買ってきた黒のTバックをつける。自分で見ても欲情が出てくる。Tバックの上から先っちょが伸びてきている。
時計を見ながら入念に化粧をする。昼より少し厚めにする。今日買ってきたスカートをはいてブラウスを着て鬘をつける。本当は自分の毛を伸ばしたい。5時半になるとお気に入りのハンドバックを持ってそっと外に出る。玄関に降りると不味いことにおかんが入ってくる。
「あれ!ひろしの姉さんだったね?」
「ははい」
俯いたまま答える。女装すると顔が変わると昔かえでが言っていた。
「弟をよろしく頼みます」
商店街に向かって早足で歩く。アーケードの手前を飛田に入る。桔梗の看板が見える。店の中に女の子が座っている。
「応募?」
とやり手婆が言う。
「楓さんを?」
「聞いてるよ。2階の奥に上がってもらって」
奥から声がかかる。
「レズって初めて」
と女の子が話している。やり手婆が襖をかける。
「わあー!凄い本物の方が美人だ」
楓が飛びついてくる。
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