第137話 依存症者の告白(137)

「働かないで、どうやって生きて行くのよ」

 そんな観念に、「生きるって、そんなもんじゃないだろう」と、常に反発をしていた私は、何故そういう自分であったのか。


 生きる意味など、むろん知れていたわけではない。しかし、私には確固として、「そんなもんじゃない」があった。


 いろんな妄想が働く。背広姿の男たちが、幸せそうに通勤する姿を見ていたら、そうは思わなかったろうか。大学時代、就職を前提に通学するクラスメイトが、つまらなかったからだろうか。それとも、私はもともと働きたくない怠け者だったのか。


 今、私はこのサイトに日々書くことを、自分の義務とした。小説家になろう、などと、甘い夢は見ていない。もともと、何かになろうとして生きた試しなどなかったのだ。


 未来が恐い。その恐さを直視せず、はぐらかすために、今を一生懸命になっているだけのようでもある。


 自分で自分を追い詰めないと、ダメそうでもある。自分以外の人間から追い詰められると、反発するくせに。


 昨夜、夢を見た。老衰近い母を、私が抱きしめていた。

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