第66話 依存症者の告白(66)

 大まじめに、「収入がないんだから、パチンコで何とかしなくては」と考えていた自分に、今更ながらほんとうに驚く。

 よくぞ、そこまで思い込むことができたものだ、と。


 自己セラピーのようにここに書き続けて、もし読者がいたのなら、やはりパチンコは辞めた方がいいですよ、と云いたい。

 だが、今もあの銀の玉を打ち続け、全身全霊を賭け、煩わしい生活の憂慮から離れられている人を想うと、羨ましい気持ちが頭をもたげなくもない。また、幸せでありますように、と祈りたい心地にもなる。まったく、ひとりひとりが、そんなに不幸でなければ、いいと思う。


 おかげさまで、パチンコへの情熱はなくなったけれども、許される金銭があれば行ってみたいと、どこかで夢想する私もいる。

 幾度か、(そうでないことの方が圧倒的に多いけれども)いい思いもさせてもらった。その夢をもう一度見たがる自分ぐらい、許してやってもいいのではないかと思う。

〈張り詰めすぎた弦は、切れてしまう〉

 緩やかに、私が、自分にとって良くないと判断したあの場所から、自分を遠のかせたいと思う。


 ところで、私の通っていた店の掲示板で、その店員と思われる「匿名さん」からのこんな書き込みを見た。

「最近客が怖い 店が裏操作してハメてる客はそれに気づいてる かといって無職になるわけにいかない でも客が家に来たらって考えると…ブラック企業を選んだ自分が悪いんですね」


 これは、真実味のある文面だと思った。客から、脅迫じみた暴言でも吐かれたのだろう、店員さんからの、正直な言葉だと思った。

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