第65話 依存症者の告白(65)

 無収入であるから、年金の支払いは免除されている。健康保険は加入していない。全く信用のおけない年金機構のホームページからの、私の将来受け取る試算額によれば、今のところ年間約84万、ひと月に換算すれば約7万となっている。

 それまで、生きていればの話だが。


 将来のことを思うと、不安になるのは、ヒトの性らしい。

 大金持ちは、その余りある資産について莫大な心配を払うというし、私のような者は、単純にお金に困ることが確定しているために不安に囚われる。

 いや、何もお金に限った話ではなく、不安を見つけようとすれば、いくらでも見つけられる。


〈想像は、不安と期待の産婆さん〉


 ところで、私は何のために部屋にこもって、この小文を書き続けているのか?

 あの遊戯場からの逃避。


〈行くと逃げるは諸刃の刃〉


 ここから逃げたら、どこへ行くのだろう?

 自分自身から、逃げられるわけがないのに。


〈いろいろ旅したけれど、結局何も変わらなかった〉

〈そりゃそうだろう、きみは自分自身を連れていったのだから〉

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