第51話 依存症者の告白(51)

 何ということはない、ただ、今朝、一緒にご飯を食べていた恋人が、不機嫌そうにしていただけなのだ。

 もちろん、甲斐性のない私と、一緒に暮らしてくれる彼女に対し、私は不満を言える義理ではない。一体、何が彼女を、この朝、不機嫌にさせたのか。それとも私の、ただの思い過ごしなのか。


〈妄想が現実をつくりだす〉


 で、私もムッとした。こういう場合、私はよく家を出て、パチンコ屋へ向かう。今朝が、まさにそういう場合だったのだ。

 しかし、私は持ちこたえた。何も、誇っているわけではない。ただ、よく逃げなかった、と、自分を誉め讃えたい。


 夕方まで、汗だくになって2、3の小文をここに書いた。

 銭湯の帰り道、チャシロと会った。「チャシロ」と呼び掛けると、少し戸惑って、箱座りした。私もヤンキー座りして、1人と1匹、見つめ合った。嬉しかった… あの猫には、品がある。ノラらしくない、おっとりした、純粋な可愛さがある。


 予報では、明日台風が来る。近所には廃屋も少なくない、チャシロ、しっかりやり過ごそうね。私も、パチンコへの衝動を、やり過ごせますよう…

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