第33話 依存症者の告白(33)

 やはりパチンコは道を外れている。

 そこでどんなイイ思いをしたとて、その道自体が間違っている。

 正しい人は、ギャンブルなぞに身を染めない。


 自己憐憫と現実逃避。この2つが、私を店に行かせるバネだった。

 前者は、「自分なんか…」と卑下する意識、後者はその意識から逃れるための。


〈逃げなければ、どこにも行けない〉


 ために、パチンコ屋に足が向いた。


 どんなことをしても時間は経つ。時間が戻らなくても、生きては行ける。しかし、その時間の中で生活に困るほど金銭を使ってしまっては、生きれるものも生きれない。


 自制心を養おう。衰えたとはいえ、まだ細々と、みなぎっている力の矛先を、間違ったところに向けてはいけない。


 植物は、自ら環境を選べない。鳥に落とされた場所、人間に植えられた場所で育つほかない。

 かれらが、その土に、その環境に自分を慣らせ、順応して生きて行こうとするように、私も…

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