第25話 依存症者の告白(25)
しかし、どこまでも中途半端な人間である。「ウツツな異世界」という題名からして、半分媚を売っている。
投稿サイトは、ざっと見るに、異世界モノが人気があるんだなと感じ、あやかりたかった。パチンコ屋を異世界に仕立て、そこに行く自分について書こうと考え、憂鬱と現をかけて「ウツツな」の形容を被せた。
内面に向かって書くのだから、誰にも読まれなくてもいいと思いながら、多くの人に読んでほしいという、外ヅラへの下心も同居している。
パチンコに限らず、何かの依存症で苦しんでいる人に向けて書きたい気持ちを持ちながら、いや自分自身の問題だよなと思い、またベクトルが自己に向かう。
率直に外に向けて、何も考えず言うのなら、パチンコは辞めた方がいいですよ、と言いたい。
しかし、打つ人が、パチンコをするのが幸せで、それが生き甲斐のようになっているのなら、そんなこと言えない。人生の目的があっていいですねえ、と、心から喜びたい。
ギャンブルや、何かに依存することが、絶対に悪いとは思えない。それを何故するのか、どうしてそうなるのか、そこにすべての因があるのだから。眼に見えるものは、眼に見えないものによって形成されているのだから。
何がそうさせるのかを知ろうともせずに、打たないのは善、打つのは悪と判断を下すのは、あまりにも軽薄な気がする。
「私、つらいんです」と冬のソナタでユジンが言っている。
「違う! 私がしたいのはこんなことじゃない。こんなことじゃ、ないのにィー!」シンフォギアの小日向未来が叫んでいる。
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