第18話 依存症者の告白(18)

 さて、私は無職である。昨夏、派遣先の特別養護老人ホームを辞めて以来の。この10年ほどの間に、工場や旅館で働いたことはあるけれど、労働していた期間は3年ぐらいである。あとの7年は、パチンコ三昧と言っていい。


 このようにして生きていると、どうしたところで、死を考えざるを得ない。金銭が、出て行く一方だからだ。このまま行けば、老後どころか、もって2、3年後には順調に路頭に迷う予定である。


 どうするのか? どうもする計画はない。正直なところ、現在一緒に暮らしている彼女は、それなりに蓄えがあるだろう。亡くなった私の両親の遺産の半分を、私は彼女に渡している。彼女の両親も高齢である…


 ぼんやりと、そんなことを考える時はあっても、私は自分の口座から数字が無くなったら、自主的に餓死をしたいと思う。彼女や友達、兄、親族には、金銭面で頼りたくない。今まで、私の精神は彼らに充分世話になってきた。これ以上、そんなことをするぐらいなら、死んだ方がましである。


 ついでに言えば、10年ほど前に一度、この餓死を試みたことがあった。7日ほど何も食べずに居ただけで、何か一種のトランス状態、ふわふわと安楽な心身になって、ムダな力の抜けた、不思議な感じになったことを覚えている。あの時は、今の彼女に延命されたのだったが。


〈生きてきたのではなく、生かされてきたのだ〉と思っている。

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