第475話 2次会準備
《アオイ家》
「ただいま〜」
「ふむ、おかえり」
俺が帰ると当たり前のように師匠がイスに座ってお酒を飲みながら迎えてくれた。
あのお酒……日本酒みたいな味するから俺のお気に入りなんだよなぁ……まぁ師匠だからいっか!
「師匠、ちょっとお客さんが来てるんですけど大勢なので」
「ふむ、儂はじゃぁ帰るかの?」
「いえ、出来れば師匠もお願いします、たぶん関係が深いので」
「ほぅ……」
俺の家は小さいので外でみんな待たせている。
「てことで師匠も外へどうぞ」
「そうじゃの」
師匠は椅子からよっこらしょっと本当のおじいさんみたいに立ち上がるが……この人絶対そんな動きしなくてもいいよね?演出?
師匠と一緒に外に出ると真っ先に気付いたのはジュンパクさんだった。
「師匠!?お久しぶりです」
「え!?」
「久しぶりじゃの、ジュンパク」
「えぇ!?」
その呼び方って事はもしかして!?
「ジュンパクさんも龍牙道場に?」
「そうだよ?あれ?もしかしてお姉ちゃん聞いてない?」
「う、うん」
「えぇ!?ユキのアネキが言ってくれてるかと思ってた……うぇーん」
「うぉ」
ジュンパクさんは棒読み泣きをしながら俺に抱きついてきて胸に顔を埋める。
「たまらんなぁ、クンカクンカぐへへ、ふへ」
「あ、相変わらずですね……」
「……ジュンパク」
「あ、ごめんアニキ、久しぶりだったからつい」
ヒロユキが声をかけるとジュンパクさんはもう一度俺をぎゅうぅっとして離れた。
「……アオイ、これからどうする?」
なんだろ、弟から呼び捨てされると今更ながら変な気持ちになるな。
この名前がもう定着してきたからかな?逆にタダシって言われると違和感あるし……
「そうだね、これから先の事なんだけど、ヒロユキくんはリュウトくんの所に行って状況を伝えてきて欲しいんだ」
「……分かった」
「幸いにもここには《六英雄》が3人いるから良く話を聞かせてもらおう」
「………………アオイ」
「ん?」
「……話を聞いていたが、六英雄って何だ?」
「あ、ミーも噂しか聞いたことないー!」
「え……」
嘘でしょ、パーティーメンバーにたまこさん居て知らないの!?
いや、よくよく考えると俺も必死に情報集めても出てこなくて詳しく聞いたのは魔王からだったしな?
師匠が六英雄なのも知らなかったし……そんなもんか?
「ホッホッホ、まずはそれを話すことからしないといけないのぅ……たまこ」
「そうね〜……ここまで来たら隠していても仕方ないかしら〜……」
「うんうん、話も長くなりそうだし、ちょっと待っててね」
俺は神速を使ってみんな分のイスと《焼肉セット》とお酒を取り出して並べた。
みんなからしたら一瞬の出来事だっただろう。
「とりあえず、お腹減ってる?まぁ何か焼肉で小腹を満たしながら……お酒でも飲みながら、ね?」
よーし、2次会だ〜じゃなくて……作戦会議の始まりだ!
飲むぞ〜
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