第334話 何かが起こる予感
「リュウトさん、グリードの女王から連絡がありました、城まで来てほしいみたいです」
「解った、こっからグリードの国までどれくらいになる?アカネ」
リュウトは先程仕留めた《マウンテンマモス》の肉を解体しながら聞く、みんなで食べるぶんだけとって他はギルドに送るのだろう。
「そうですね、ここからだと《ダイヤエースタウン》が近いのでそこのギルドから《クインズタウン》に行けば四日でつくと思います」
「よし、ならそれで行こう」
「はーい!」
「......」
「どうしたんですか?リュウトさん」
「いや、なんか寂しくなったなって思ってな」
今リュウトのパーティーはアカネとあーたんしかいない。
「仕方ないですよ、リュウトさんは魔王を倒したんですから、戦いは終わったんです」
「そうだな......」
「ますたーは、あーたんたちじゃダメー?」
「ふふ、そんなことないよ......さ、行くぞ」
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「ヒロユキさん!ミクラル城から連絡がありました、どうやら用事があるので来てほしいみたいですが?」
「......」
ヒロユキは岩に座り自分の黒い太刀を研いでる。
「ユキの姉貴、それならミーだけ行って内容聞いてこようか?」
「ジュンパク、それでもいいんですけど、久しぶりにミクラルにみんなで行くのもいいと思うんですよ私は」
「確かに兄貴が【魔王】倒してからずっと《開拓》してるから外にでっぱなしで人の居る町なんて久しぶりだもんね!流石ユキの姉貴!そこに気づくなんて!」
「町、肯定、行く」
「そうね~、姉にも会っときたいし~」
「では用事がすんだら久しぶりにミクラルで遊びましょう!てわけでヒロユキさん!」
「......行こう」
「この近くなら《モルノ町》からギルドで転移して《ナルノ町》に行きましょう!」
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《グリード城》
「女王様、準備を」
女性用の騎士服を着た代表騎士代行のタソガレは豪華に装飾された車イスを押しながらサクラ女王の部屋に入る。
「ケホッ......えぇ、わかったわ」
サクラ女王の顔はゲッソリとしていて顔色もかなりわるい。
しかし、タソガレは騎士として余計なことは言わず、ベッドからサクラ女王を抱き抱える。
「あなたには迷惑かけるわね、女なのに迷惑をかけて」
「お言葉ですが、「女なのに」などは言わないでください」
「そう、ね、悪かったわ」
「......」
「さて、と......」
サクラ女王は車イスを魔力で動かす。
現在サクラ女王の身体は病気で弱っていて立つことも出来なくなっていた。
仕事もベッドでこなしているが以前よりも仕事のスピードも減っていってる......そんな彼女がどうしても外にでなければいけない事が今日はあった。
「【王国会議】......やっとこの日が来たわ」
「はい」
「これが最後になるかもしれないけど、これでやっと父が何故あんなことをしたのか解る......」
「......」
「タソガレ、あなたはキールがいない今代わりに私についてきてもらうわよ、馬車を用意しなさい」
「わかりました」
タソガレが行った後、サクラ女王は咳をして口から少し血がでる。
「お願い、もう少し......もう少しだけ私の身体......もって」
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