第318話 どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!!

 「わかりません」


 すひまるは嘘をついた。

 アビからは見えないが確実にすひまるの方向からはアオイが見えているはずなのだ。

 

 「ほう?そうか」


 「そ、その無理やり私はそのルカさんに脅されただけなので何も......」


 「なら仕方ないな」


 「......え」


 「お、おねーちゃん!?」


 その瞬間、すひまるが抱いていた球体が宙に浮く。


 「セ、セミマル!?」


 「おねーちゃん!身体の中が......たすけ」


 「死ね」


 「おねーち」


 その瞬間、ボールが空気をいれすぎて割れるようにセミマルが爆発し内蔵と血を部屋に撒き散らした......


 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!」


 すひまるの叫びが響き渡る。

 

 「セミマル!セミマル!ど、どうして!どうしてこんな事を!うわぁぁぁぁあ!」


 すひまるは【オルビアル化】し、無謀にも吸血鬼の王に攻撃をしようとするが。


 「貴様ごときの攻撃が届くわけなかろう。」


 すひまるの尻尾はいつの間にか切断される。

 そして、すひまるは何故か立っていられなくなり前のめりに倒れる。


 「え......あ、あぁ......」


 なぜ倒れたのか?

 単純だ......すひまるの足が一本。

 太ももから切断されているからである。


 「ぐっ......ギギ......」


 すひまるの身体に後から痛みが襲ってくる。


 「ふむ、これでも出てこないとなると、どうやら本当に居ないらしい」


 「ど、どうして......」


 「報告によると貴様は女神に気に入られていたらしいからな、近くにいればこれで出てくると思っただけだ」


 「どうして......どうして......」


 「俺は慎重なのでな、まずこの女を匿っている時点で許すわけないだろう、それと、その身体を維持するには人間の血が必要......下級吸血鬼に人間の血は支給されない、どうやっていたのか気になっていたが」


 アビは輸血パックが入ったバッグを見せる。


 「......」


 「どうやら、貴様は工場に入り込みこれで維持してたみたいだな、血を盗むのは重罪だ。死刑は確定している」


 最初からアビはすひまるを殺すつもりだったのだ。

 甘い言葉をかけ、居場所を聞いて。

 知っていればそれでよし、知らなければエサとして殺す。

 アビにとってすひまるは用済みの道具として最初から見られていた。


 「セ、セミマル......」


 すひまるは最後の力をふりしぼって近くにあったセミマルの肉片を握る。

 すひまるの手にまだ暖かい肉の感覚を感じる。


 それは、先程まで活動していた自分の弟の肉。


 「ごめん......ごめんね......」


 すひまるの目から生気が失われていく......


 「貴様は良く働いた、あとはこいつでおびき寄せるか」


 そういって、アビは目に【サソリ】の紋章を浮かべ。




 止まっているルカの体事居なくなってしまった。










 ....................................................................................





 そして、押し入れから『アオイ』が出てくる。










 『さぁ、絶望しなさい♪』













 『ア・オ・イ・ちゃん♪』






















 

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