第302話 ルコサとユキ

 ルコサはユキを抱っこしてそのまま保健室へ来ていた。

 保健室の先生は文化祭の関係で他の教室に移っているので今はルコサとユキだけだ。


 ルコサは保健室のベッドにユキを座らせルコサもユキの隣に座ってユキが落ち着くのを待った。


 「あ、あの......助けてくれてありがとうです......」


 「ん?何があったかわからないけどいいさ、気にするのがめんどくさい」


 「ほんとに......恐かったです」


 「うん、恐かったね」


 「......」


 「......」


 沈黙が二人の間で続く......ルコサ自身も子供の扱いになれてないのとユキも大人の男性に慣れていない。

 

 「あ、あのお礼をするです」


 「ん?......えぇ!?」


 ユキはそういってベッドの上に立つとおもむろに顔を赤くしながらモグリ邸の服を脱ごうとする。


 「ストップストップ!」


 あわててルコサはユキを止める、もう少しでユキの胸があらわになる所だった。


 「な、何してるのかな?」


 「さっきお兄さん言ってたです......女の人の下着が好きだってです」


 「い、いや、まぁ好きだけどそれは性癖だし否定もしないけどなんか違う!こんな状況クロエが見たらぶち殺されてしまうわ!めんどくさい!」


 「でも、ユキに今できるお礼はそれくらいしかないです......」


 「うんうん、お礼をちゃんとするように育てられて君の親はイイ人だったんだね」


 ユキはお母さんを褒められて笑みをこぼす。


 「ふへへ、おかぁさんイイ人です」


 さっきまで泣いていて心に落ち着きがなかったが段々とユキも落ち着いてきたみたいだ。


 「じゃぁ、こうしよう!君がもし大きくなって覚えていたら君のパンティーを頂こう!」


 「でも、会えるかわからないです」


 「大丈夫、また会えるよ......必ずね」


 「わかったです!」


 「それと、君にはこれをあげるよ」


 そういってルコサは一枚の魔皮紙を取り出し、ユキのポケットにいれてあげる。


 「なんです?これ」


 「宝の地図だよ、【君達がレールに乗るにはまだ若すぎるから神からのプレゼント】だよ」


 「????」


 ユキは言ってることが解らなかったがお母さんが言ってた「貰えるものは貰いなさい」を実行した。


 「ありがとうです!」


 「うん、それと......ごめんよ?」


 「え......」


 ルコサはユキのおでこに人差し指を当てて魔法を発動させるとユキはポフンと保健室のベッドに倒れ意識を失った。


 「君の今日見たことは忘れてもらう、この状況が良い方向か悪い方向に行くのか解らないが......【君にはまだ早い】」


 ユキはスースーと寝息をたてている。


 「それに、【真実を知ってしまったら今まで通りの日常が変わって見えてくる】。彼女の夢が終わって目が覚めるのはまだ先だ......」






 「全ては【神の導きのままに】......」








 

 

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